Project/Area Number |
03806010
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岡崎 正規 東京農工大学, 農学部, 助教授 (00092479)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Keywords | 鉄(III)水和酸化物 / 特異吸着 / 亜セレン酸イオン / セレン酸イオン / 膨張計 / 体積変化 |
Research Abstract |
本研究を推進するために、容量の異なる2種類の膨張計(約60および150ml)を作製しオキソ酸を形成してアニオンとして存在する微量金属イオンの鉄(III)水和酸化物への吸着に伴う微量な体積変化を測定した。その結果、亜セレン酸イオン、セレン酸イオンの鉄(III)水和酸化物への吸着には上室87mlおよび下室67mlからなる膨張計が適当であると判断した。吸着実験はすべて高精度恒温槽(25.000±0.001℃)中で行ない、吸着に伴う微量な体積変化は、膨張計のマノメ-タ-をカセトメ-タ-で読み取った。亜セレン酸イオンおよびセレン酸イオンは溶液pHによってそれらの存在形態を変化させるが、pH5.5付近では、亜セレン酸イオンは大部分がHSeO^ー_3に、またセレン酸はすべてSeO^<2ー>_4の形態をとる。亜セレン酸およびセレン酸イオンの鉄(III)水和酸化物への吸着は、溶液中のプロトンを消費し、溶液のpHを上昇させた。プロトン消費量と亜セレン酸イオン吸着量との間には、一定(0.1:1ないし0.2:1)の関係が認められ、亜セレン酸イオンの吸着は、溶液バルクのpH変化を伴わない吸着反応が主体であることが示された。亜セレン酸およびセレン酸イオンの吸着による体積変化量は、吸着時間の経過とともに、すなわち吸着量の増加とともに増加し、体積変化量と吸着量の間には直線関係が認められた。亜セレン酸イオンの吸 着による体積変化量はセレン酸イオンの体積変化よりも大きかった。このような亜セレン酸イオン吸着に伴う体積変化量がセレン酸イオンのそれよりも大きい原因は、亜セレン酸イオンが特異吸着反応の際に、亜セレン酸イオン自身が保持している水和水分子あるいは鉄(III)水和酸化物表面に存在する水分子を溶液バルク中に解放することによると結論できる。
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