プロスタノイドによる血管平滑筋の興奮ー収縮と内皮細胞における興奮ー分泌機序の解明
Project/Area Number |
03807005
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General physiology
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 猛雄 九州大学, 医学部, 講師 (70159888)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 血管平滑筋 / 内皮細胞 / プログランディン / 興奮ー収縮連関 / カルシウム |
Research Abstract |
高速液体クロマトグラフィ-を用いた蛍光測定による分析から、内皮正常ブタ冠状動脈血管条片から、エンドセリン、アセチルコリンもしくはブラジキニン刺激により各種のプロスタノイド(6ーketoprostaglandin F_<1α'> prostaglandin E_2及びthromboxane B_2)が遊離されることが判明した。またradioimmunoassayにより、エンドセリン、アセチルコリン及びブラジキニン刺激により内皮正常ブタ冠状動脈条片およびその単離内皮細胞から6ーketoprostaglandin F_<1α>が遊離されるが、内皮除去ブタ冠状動脈血条片からは6ーketoprostaglandin F_<1α>が遊離されないことが判明した。このことよりこれらの血管刺激物質は主にブタ冠状動脈内皮細胞よりprostacyclinを遊離させそれ自身による血管収縮作用を調節しているものと考えられた。一方、エンドセリン、アセチルコリン及びブラジキニンは内皮除去ブタ冠状動脈血管条片からprostaglandin E_2の遊離を増加させることが判明した。この作用は内皮存正常ブタ冠状動脈血管条片において明かではなかった。このことよりこれらの血管刺激物質はブタ冠状動脈平滑筋細胞よりprostaglandin E_2を遊離させそれ自身による血管収縮作用を調節しているものと考えられた。このように、ブタ冠状動脈の強力な血管収縮物質であるエンドセリンやアセチルコリンはその内皮細胞及び血管平滑筋に作用しそれ自身の収縮作用を調節するいくつかのブレ-キングシステムを介して血管のト-ヌスを調節している可能性が明かとなった。現在プロスタサイクリン及びprostaglandin E_2の血管弛緩作用にについて検討中であるが、これまでのところでは、これらのプロスタノイドは従来報告されているように細胞内のcyclic AMPを介して平滑筋を弛緩させるのではないかということが判明した。現在その作用機序について検討している。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)