Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,住血吸虫遺伝子における分子生物学的適応現象をそれに関わる遺伝子の解析及び発育段階別・株別変化を検討した。また,関連する遺伝子の染色体解析も合わせて行なった。【方法】日本住血吸虫及びマンソン住血吸虫の各虫体別に遺伝子材料を抽出し,genomic DNA library(lambda EMBL4),加えてcDNA library(lambda gtll)を作成した。これらのlibraryを様々なDNA・RNA断片及びモノクロ-ナル抗体によりスクリ-ニングし,遺伝子配列の同定と存在様式を検討した。得られた遺伝子断片は,さらに,染色体マッピングに使用し,染色体構造上の特異性を検討した。【結果及び考察】1.住血吸虫のrRNA geneは,large subunit及びsmall subunit,介在するintervene sequenceにより構成される。このクロ-ンのマッピングの結果,日本住血吸虫とマンソン住血吸虫の間に顕著な差が示された。rRNA遺伝子は,非常conservativeな遺伝子群の一つとされており,同一種におけるこの様な変化は,生物学的に極めて稀な現象であり,その複雑な生活環への関与が考えられる。2。染色体のCーband farmationとrRNA gene populationを用いたマッピング;上記のDNA断片を用いて染色体マッピングを行なったところ,反応位は3番染色体短腕第2次狭窄部であった。この部分は,非常に特殊な三次構造を示し,現在までのところ,他の遺伝子のこの部位での存在は報告されていない。3.p53の解析:p53は,細胞周期の制御因子(negative regulator)として知られている。Lambda gtll cDNA libraryのモノクロ-ナル抗体(Ab2,Oncogene Science,Inc.)を用いたimmunoscreening(piko Blue kit,Stratagene)により,日本住血吸虫雄成虫libraryで陽性クロ-ンを得た。このfusion proteinは約76KDa,1.2KbのRNA断片として発現される。その遺伝子配列及び分子生物学的特徴を現在検討中である。
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