Project/Area Number |
03807044
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
藤山 佳秀 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (70111896)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 低栄養 / 低蛋白栄養 / 消化管免疫 / 成分栄養 / 分泌型IgA / パイエル板 |
Research Abstract |
Balb/cマウス(4週齢)を無蛋白低カロリ-食にて7日間飼育し、低栄養状態にした後に、成分栄養剤(ED)または等カロリ-の普通食(CD)で2週間または4週間飼育し、小腸内の細菌叢・小腸液のIgA濃度およびIgA特異抗体量・パイエル板細胞数・血液中の二量体IgA/全IgA比などを測定した。 まず、低栄養状態のマウスでは、小腸液中IgA量とパイエル板細胞数の減少と小腸内細菌数の増加が見られ、消化管防御機能の低下があった。また、低栄養状態マウスでは、血液中IgAの二量体の割合が増加しており、肝細胞のIgA輸送に障害をもつ可能性が示唆された。 さて、低栄養から回復していく段階では、CD群に比べ、ED群は体重増加が小さく、小腸IgA総量とパイエル板細胞数の低下があり、小腸細菌数が増加した。低栄養状態で増加した血液中IgAの二量体の割合は、CD群・ED群ともに栄養改善によって正常化した。CD群とED群のカロリ-摂取は同等だが、ED群は、アミノ酸摂取量が窒素量に換算してCDの蛋白窒素量の半分であり、脂肪摂取は少量のリノ-ル酸によるものであった。この栄養学的な不足と食餌性抗原の欠落によって、小腸における分泌型IgAの産生低下があるものと考えられる。しかし、細菌に対する小腸IgA特異抗体量において差異がなく、消化管局所免疫機能の低下が、はたしてEDによって招来されるものか否かは定かでない。今後、成分栄養剤が及ぼす消化管粘膜防御機構に対する影響について、さらに検討を要する。
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