Project/Area Number |
03807084
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 哲 名古屋大学, 医学部, 助手 (30215454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 善晴 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (80174308)
二村 雄次 名古屋大学, 医学部, 教授 (80126888)
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Project Period (FY) |
1991 – 1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1992: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 甲状腺ホルモン / 再生肝 / 培養肝細胞 / フィブロネクチン / S14蛋白 / 肝細胞スフェロイド |
Research Abstract |
甲状腺機能状態の異なるラットに於いて、再生肝での甲状腺ホルモン応答性蛋白の発現が如何に変化するかを検討する実験で、我々は興味深い現象をみいだした。通常、再生肝に於けるDNA合成は肝切除後24時間でピ-クを示すが、この時点で甲状腺ホルモン(T_3)を投与しても、甲状腺ホルモン応答性蛋白の代表であるspot14蛋白(S14)mRNAの発現は促進されなかった。この現象は、Sham手術を施したラットでは認められず、Sham手術後24時間でT_3を投与した群では、T_3投与によりS14mRNAは明らかに増加した。また、肝再生が終了し、肝重量が肝切除前のレベルに戻るとされている肝切除後2週では、肝切除群でも、Sham手術群と同様に、T_3投与によりS14mRNAの増加が認められた。従って、肝の再生過程に於いて、細胞分裂の活発な時期にはT_3に対する応答性が減弱することを示唆する結果を得た。次に、この様なT_3に対する応答性と肝細胞の増殖との関連が、in vivoのみならずin vitroでも認められるか否かを初代培養肝細胞を用いて検討した。初代培養肝細胞は通常、単層培養が用いられるが、この場合、DNAの合成が活発で細胞は増殖期にあることが示されている。これに対し、肝細胞を球状の集塊で培養するSpheroid培養では、肝細胞は増殖傾向を示さないことが報告されている。従って、これらの培養系でT_3に対する応答性を検討することにより、甲状腺ホルモンに対する応答性と肝細胞増殖との関連をin vitroで検討できる。その結果、単層培養ではT_3添加によるS14やフィブロネクチンのmRNAの増加は僅かでり、一方Spheroid培養ではこれらのmRNAがin vivoでの肝同様に、T_3添加により増加することが示された。以上の検討により、増殖期にある肝細胞では静止期にあるものに比し、甲状腺ホルモンに対する応答性が減弱するといった、極めて興味深い結果が得られた。
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