遅発型アレルギ-におけるヒスタミン放出に関与する新規サイトカインの同定と役割解析
Project/Area Number |
03807145
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平澤 典保 東北大学, 薬学部, 助手 (80181155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 和雄 東北大, 薬学部, 教授 (20006357)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | アレルギ-性炎症 / ヒスタミン / ヒスタミン産生増大因子I / ヒスタミン産生増大因子II |
Research Abstract |
ラットのアレルギ-性空気嚢型炎症モデルでは抗原惹起後30分以内にIgE抗体を介した肥満細胞の脱顆粒反応によるヒスタミンの放出が生じたのち、その24時間後を最大として持続的なヒスタミン放出が生じる。この持続的なヒスタミン放出反応は炎症局所でのヒスタミン産生が亢進した結果であることを明らかにし、これを誘発するサイトカインについて解析した。その結果、炎症滲出液中には骨髄細胞のヒスタミン産生を増加させる活性として測定されるヒスタミン産生増大因子が少なくとも2種類存在することを明らかにし、それぞれhistamineーproductionーincreasing factor(HPIF)ーIおよびHPIFーIIと命名した。単独で骨髄細胞のヒスタミン産生を増大させる活性を持つHPIFーIについては以下のことが明らかになった。(1)粗精製品を空気嚢内に注射するとヒスタミン産生が誘導される。(2)滲出液中の活性は滲出液中のヒスタミン量の増加とよく一致して変動する。(3)この時期血清中のHPIFーI活性も増加し、骨髄細胞のヒスタミン産生も亢進している。(4)分子量は、25〜40kDである。一方、HPIFーIIは単独では骨髄細胞のヒスタミン産生を誘導しないが、HPIFーIによるヒスタミン産生増大作用を強く増大させる活性を持ち、(1)アレルギ-性炎症慢性期に産生され、分子量は約100kDである。(2)HPIFーIが産生されているアレルギ-性炎症急性期に、HPIFーIIを含む滲出液を空気嚢内に注射するとヒスタミン産生が増大することが明らかになった。以上の結果から、遅発型アレルギ-性炎症反応においてみられるヒスタミンの持続的な産生・放出は、少なくとも2種のサントカインHPIFーIおよびHPIFーIIにより誘発されていることが明らかになった。さらに、HPIFーIは炎症局所から血中に移行して骨髄にいたり、骨髄細胞のヒスタミン産生を亢進して血液細胞の分化増殖にも関与していることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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