βーアドレナリン受容体による酸シクラ-ゼ活性型G蛋白の認識制御機構の解析
Project/Area Number |
03807158
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西本 育夫 東京大学, 保健管理センター内科, 助手 (80180652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 芳武 東京大学, 医学部・分院内科, 助手 (40219952)
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Project Period (FY) |
1991 – 1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | βアドレナリン受容体 / G_s蛋白 / G_s活性化配列 / RRSS構造 / アデニ-ル酸シクラ-ゼ / プロティンキナ-ゼA / リン酸化 / セリン残基 |
Research Abstract |
βアドレナリン受容体がシグナル伝達する分子機構を解明した。βアドレナリン受容体はG蛋白、中でもG_sを活性化することがそのシグナル伝達機構の中心にあることが既に判明している。私は、以前の研究から、G蛋白活性化に必須のアミノ酸1次構造を発見していた。これをβアドレナリン受容体に適応したところ、第3細胞内ル-プに2ケ所候補領域を見い出した。このうち、第259残基から第273残基の15残基領域(βIIIー2と呼ぶ)にG_s活性化作用を見い出した。他の1ケ所、ないしコントロ-ルとして合成した第3細胞内ル-プとC端領域のペプチドにはG_s活性化作用はみられなかった。βIIIー2は、世界で初めて見い出されたナノモル濃度でG_sを活性化するペプチドである。βIIIー2の構造・機構相関の実験から、βIIIー2のG_s活性化能には、N端のRRSS構造とC端のKが必要であることが明らかとなった。βIIIー2は、ナノモル濃度で、S49リンパ腫細胞膜のアデニ-ル酸シクラ-ゼ活性を保進した。S49細胞には、G_sの突然変異により、βアドレナリン受容体刺激からG_sが脱共役した変化株uncが存在する。βIIIー2はunCの細胞膜では、アデニ-ル酸シクラ-ゼを活性化しなかった。βIIIー2のN端4残基目のセリン残基はプロティンキナ-ゼA(PKA)によりリン酸化され受容体全体のG_sから脱共役を共起するアミノ酸残基であることが知られていた。そこで私は、βIIIー2ペプチドをPKAにてリン酸化し、これを精製し、G_sへの活性を調査した。その結果、リン酸化βIIIー2のG_s活性化作用は著減し、代ってGi活性化作用が増強した。このようなリン酸化による配列のG蛋白特異性のスウィッチは、従来のデ-タの大部分を説明すると共に、全く新しい知見を受容体シグナル伝達の分野に与えるものである。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)