Project/Area Number |
03831009
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
認知科学
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Research Institution | Aichi Prefectural University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
川口 潤 愛知県立芸術大学, 音楽学部, 講師 (70152931)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | プライミング効果 / 意識 / 注意 / 文脈効果 / 記憶 |
Research Abstract |
本研究では、プライミング効果に関するモデルを作成することを目的とした。プライミング効果とは先行情報の処理が意味的に関連した後続情報の処理に影響を与えることを指している。これまでの研究の多くは、意味的要素を多く含む単語などの刺激を用いていたが、ここでは、プライミング効果の基本的メカニズムを探るために、できるだけ単純な数字刺激を用いて実験を行った。基本的手続きは、私自身の先行研究と信じく、CRTに継時提示される数字をできるだけ速く読むことであった。ただし、これまでの実験のひとつでは、継時提示される2つの数字の関係はランダムであり、被験者が示したプライミング効果はあくまで自動的な処理による影響である。また、意識的に次の数字を予測させる条件では、直後の数字に対する反応が速くなるという結果が得られたが、最初の数字(プライム)の2番目の数字(タ-ゲット)との間の時間間隔の影響があまり明瞭には現れなかった。そこで、ここでは、先行刺激としてひとつの数字ではなく、系列性を持ったいくつかの数字を提示し、意識的な予測がより容易な条件のもとで、実験を行った。たとえば、1,2,3,4という順で数字を提示し、その後の5という数字に対する反応と、1,2の後の5に対する反応とを比較するのである。その結果、顕著な予測の効果が現れた。この手法によって、被験者の予測の強弱を操作できることがわかった。この手法をもとに、これまでのデ-タでは不十分であった、継時提示2刺激間の関係などをより精密に検討することによって、予測システムのモデル化を進めていくことが今後の課題である。
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