Project/Area Number |
03831019
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
認知科学
|
Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
野澤 繁之 豊田工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (10043184)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
掛布 英辰 豊田工業高等専門学校, 電気工学科, 講師 (10124041)
竹下 鉄夫 豊田工業高等専門学校, 情報工学科, 助教授 (20149933)
|
Project Period (FY) |
1991
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 手書き文字 / 文字認識 / 手書き文字認識 / 筆者識別 / 手書き文字の個人性 / 認知メカニズム |
Research Abstract |
手書き文字に対する人間の目による筆者識別実験を実施し、計算機による解析とを比較しながらヒトの文字読み取り能力を探り、人間がマクロな字形の特徴とミクロな字形の変動とをどの様に組み合わせて、文字認識あるいは筆者識別を行なっているかを定量的に解析し、手書き文字認識の向上に役立てることを目的として、以下の研究成果を得た。 1.10人の筆記者が10種類の漢字を各32文字連続して鉛筆で記入した文字(一人当り320文字、全体で3200文字)をディジタルデ-タ化し、これを実験に使用した。 2.文字認識、あるいは筆者識別等を計算機で処理する場合には、文字の大きさ及び位置を一定の基準に合わせる「正規化」という作業が重要であるが、正規化された文字を人間が目でみた場合にどの様な反応を示すかを見るために下記の実験を行なった。 3.上記3200文字に4種類の方法で位置、大きさの正規化を行ない、正規化を行なった後の文字を本校情報工学科の学生126名に見せて筆記者を当てる筆者識別実験を行ない、正規化を行なわない場合の筆者識別実験及び計算機による筆者識別実験結果とを比較検討した。 4.実験の結果、(1)ヒトは、文字の縦長、横長といった形、あるいは文字の大きさに表れる筆記者の個性を識別のための重要な知識として利用している。(2)文字の形の縦横比、あるいは大きさを変えてしまう正規化は計算機処理では重要であるが、人間による識別にはあまり効果がなく、むしろ悪い結果を及ぼすことさえある。(3)字種別にみた場合、画数の少ない文字は筆記者の特徴が表れ難く、識別が困難である。(4)人間が識別を行なう場合、識別な要する時間が長いものほど一般に識別率が高い。このことは識別に対して真剣に取り組んだか、否かが大きく働いていると思われる。ヒトの認知能力を解明するためにはこのようなことも考慮する必要がある。
|