光ファイバの加熱時における被覆材料物性の通信特性におよぼす影響
Project/Area Number |
03832012
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会システム工学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平野 敏右 東京大学, 工学部, 教授 (70007615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土橋 律 東京大学, 工学部, 助手 (30237177)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 光ファイバ / 光通信 / 火災 / 被覆材料 / 耐熱性 |
Research Abstract |
大容量の通信線として、最近利用が増加している光ファイバケ-ブルが、火災などの加熱環境に置かれた時に受ける影響について、実験により検討した。 今回の実験では、無機系光ファイバの石英系光ファイバを取り上げ、種々の材料で被覆されたものについて、被覆材料の熱特性の影響について検討した。これらを、加熱装置中で種々の昇温速度で加熱し、その時の温度変化に対する、伝送信号光強度を測定し、光伝送特性について検討した。実験により以下のことが明らかになった。 石英系光ファイバの透過率は、今回の室内の火災を模しておこなった500℃程度以下の実験では、最も低下の激しい材料でも加熱前の69%以上に保持される。一方、加熱に使用したヒ-タからの光がファイバ内に入り込む現象が観察された。侵入する外部光の強度は、200℃付近で極大となり、加熱前の光強度の10%〜100%以上にも達した。 この透過率の低下および外部光の侵入は、心線の光学的歪により発生したものと考えられる。つまり,石英系光ファイバでは、心線の中心部と外周部の屈折率の違いにより光を光ファイバ内に閉じ込めているため、心線に歪が生じると光の漏洩や侵入が発生してくるわけである。この歪は、被覆と石英心線の熱膨張の差によって発生していると考えられる。 このように、石英系光ファイバは、500℃まで加熱しても69%以上の透過率を保持するが、200℃程度の温度で外部光の侵入が無視できなくなることがわかった。これらの現象は、被覆および石英ファイバ心線が加熱された時の、膨張や融解などの挙動に依るところが大きく、被覆材質選択において、材料の加熱時の挙動検討の重要性が確認された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)