都市化地域における広域災害時のラジオ放送の役割に関する実証的研究
Project/Area Number |
03832013
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会システム工学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片山 恒雄 東京大学, 生産技術研究所・第5部, 教授 (70013216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 茂 東京大学, 生産技術研究所・第5部, 講師 (50217999)
山崎 文雄 東京大学, 生産技術研究所・第5部, 助教授 (50220322)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 地震 / ロマプリエタ地震 / ラジオ報道 / 広域災害 |
Research Abstract |
この研究を思い立った理由は、1989年10月に米国西岸のサンフランシスコ市を中心に種種の都市的被害を発生させたロマプリエタ地震後の現地調査のときの経験による。地震による停電のため、サンフランシスコ市内の多くの人たちにとってテレビは無用の長物となり、地震発生から少なくとも数時間のあいだの情報メディアはラジオ放送となった。 本研究の基礎資料は、発災後の数時間に湾岸地域で最も多数の人々に聞かれたと思われるKCBSーAM局の約2時間にわたる録音テ-プであった。このテ-プの録音内容の詳細な検討により以下の諸点が明らかとなった:(1)単に書かれたニュ-ス原稿を読むだけでなく、聴取者や被災現場の記者とのやりとりの中から「何が重要な情報か」を判断できるアンカ-パ-ソンの育成が急務である、(2)アンカ-パ-ソンは対象地域(地名やその地域の特徴)を熟知しており、かつ災害に関する正しい基本的な知識を持たなければならない、(3)あくまでもプロの記者からの情報を中心とした報道を主とすべきであり、聴取者からの情報は副次的なものとして取り扱うべきである、(4)記者には状況を客観的に語らせるべきであり、周辺に集まってくる人たちの感想や印象は災害時の役立つ情報とはならないばかりか、聴取者に誤った印象を与えかねない、(5)(これはテレビによる情報に関してであるが)発災直後にテレビを見るのは被災地域外の人たちであることが多い。土地勘もなく災害に関する基礎的素養もない視聴者に正しい災害像を描いてもらうためには、このことを十分に考えて専門家の適切なコメントを加える必要がある。 本研究を通じて災害直後の報道の生の記録を残すことの重要さをつくづくと感じた。ある程度以上の規模の災害が発生したときに、少なくとも被災地域の地元放送局の録音テ-プをキチンと残しておくだけで、将来の災害時のラジオ放送を考えるためのきわめて貴重な資料が得られる。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)