Project/Area Number |
03833015
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分子細胞生物学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
升方 久夫 名古屋大学, 理学部, 助手 (00199689)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ヒト染色体 / 複製開始機構 / 自律複製配列(ARS) / 密度標識法 / 細胞周期 |
Research Abstract |
高等動物染色体の複製開始に必要なDNA上の情報を明らかにするために、我々はヒト染色体断片をクロ-ン化したライブラリ-からヒト細胞内でプラスミドとして自律複製する能力をもつもの(ARSプラスミド)を分離し解析することを試みた。 1.5ープロモデオキシウリジン(BrdU)を用いた密度標識法によりARSプラスミドを選別した結果、10ー15kbの染色体断片を含む5種類のクロ-ンを分離した。分離したプラスミドを解析した結果、(1)ランダムな染色体断片を含むプラスミドよりも効率良く複製する(2)半保存的複製をする、(3)長期間のプラスミド保持を可能にする、(4)染色体に組み込まれた形ではなくプラスミドとして複製することから確かに自律複製能を有することが確認された。また細胞周期のS期に複製することからARSプラスミドの製複も染色体の複製と同様に細胞周期の制御を受けること、さらに1回の細胞周期中には同じプラスミド分子は2度目の複製を行わないように制御されていることも示唆された。 2.ARSプラスミドから約300bp間隔でのdeletion株を系統的に分離しその複製能を解析した結果、クロ-ンした断片上にはプラスミドの複製に必要な領域が複数存在すると示唆され、それらの領域には出芽酵母でのARSコンセンサスや分裂酵母のARSに存在する配列によく似た塩基配列が頻繁に出現することも明らかとなった。 以上の結果は、高等真核細胞染色体の複製開始点は、ある特定の塩基配列に依存して毎回そこから複製開始が起こるのではなく、ある頻度で開始を起こすような領域が多数あり、それらの密度が複製開始の頻繁に起こる領域とそうでない領域を区別しているのではないかと考えられる。
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