ジフテリア毒素を利用した核輪送に関与する変異細胞の単離とその解析
Project/Area Number |
03833021
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分子細胞生物学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河野 憲二 大阪大学, 細胞工学センター, 助教授 (50142005)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 核輸送 / 核移行シグナル / 酵母 / ジフテリア毒素 |
Research Abstract |
本年度は、核輸送に関与する変異細胞を出芽酵母から単離するための系の確立を目指した。まず哺乳動物の系で核移行シグナルとして明らかになっているSV40ウィルスT抗原由来のアミノ酸配列が酵母の系で働くかどうかを、酵母のインベルタ-ゼのアミノ末端に付加したものを用い、蛍光抗体法により調べた。この結果、野生型の核移行シグナル(KKKRK)を付加したインベルタ-ゼは核に移行すること、また1アミノ酸置換した変異型核移行シグナル(KTKRK)を付加したものは核に移行できないこと、酵母でも蛍光抗体法により核移行したかしないかを区別できることが明かとなった。次にジフテリア毒素A断片(DTA)の細胞内局在をかえることにより核への移行に異常を有する変異細胞を得るため、DTAのアミノ末端にSV40の核移行シグナル、あるいは変異型核移行シグナルを付加した遺伝子を作成し、培地の変換(グルコ-スからガラクト-スに変換)により遺伝子産物の誘導が行える系を作成した。これらのプラスミドを形質転換した酵母は、グルコ-ス培地では生育できること、ガラクト-ス培地に変えると生育できないことから誘導的に毒素が生産されていることがわかったが、核移行型に変換した毒素を発現させた場合でも顕著なタンパク合成阻害がかかり選択系としては不適当であることが判明した。現在大腸菌由来のβーガラクトシダ-ゼに酵母のリボソ-ムタンパクL29の核移行シグナルを付加した融合遺伝子を作成し、新しい選択マ-カ-として使うべく準備をしている。また核内から核外へのtRNAの輸送に関与する変異株を得るために、ジフテリア毒素のナンセンス変異遺伝子とそれを抑制するサプレッサ-tRNAとを組み合わせた新しい選択系も開発中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)