生体膜のキュービック相の構造・安定性・相転移の研究とそのバイオテクノロジーへの応用
Project/Area Number |
03F03099
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
生物物理学
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山崎 昌一 静岡大学, 理学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AWAD Tarek Samir 静岡大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 生体膜のキュービック相 / キュービック相-L_α相間の相転移 / 生体膜の静電相互作用 / カルシウムイオン / LUV / モノオレイン / Q^<224>相 / Q^<229>相 |
Research Abstract |
モノオレイン(MO)の膜は過剰水の存在下でキュービック相(Q^<224>相)であるが、高い表面電荷密度を持つジオレオイルホスファチジン酸(DOPA)とMOの混合脂質膜は、L_α相の多重層リポソーム(MLV)を形成することを我々はすでに見出している(Biophys.J.81,983-993,2001)。本研究ではまず、L_α相のDOPA/MO-MLVに対するCa^<2+>の効果をX線小角散乱(SAXS)により調べたが、キュービック相には相転移しなかった。そこで、負電荷を持つ脂質としてDOPAの代わりにジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)を用いて、MOの構造安定性に対する表面電荷密度の効果をSAXSにより調べた。DOPGの濃度が増大するにつれて、Q^<224>相から別のキュービック相であるQ^<229>相に相転移し、次にL_α相に相転移した。L_α相のDOPG/MO-MLVに対するCa^<2+>の効果を調べたところ、低濃度のCa^<2+>がキュービック相(Q^<224>相およびQ^<229>相)を誘起することを見出した。このことは、低濃度のCa^<2+>によりこの膜の相構造を効果的に制御できることを示している。また、DOPG/MOの単分子膜の自発曲率はCa^<2+>濃度の増加につれて増大した。この結果より、Ca^<2+>によるL_α相からキュービック相への相転移においては、単分子膜の自発曲率の増加による弾性エネルギーの変化が一つの主要な要因であると考えられる。さらに、直径が100nm程度のDOPG/MO膜のLUV(Large Unilamellar Vesicle)を作成し、Ca^<2+>との相互作用をSAXSにより調べた。その結果、低濃度のCa^<2+>がLUVをキュービック相に構造転換することを見出した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)