Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
外側膝状体(LGN)ニューロンは刺激方位には選択性を示さず、一次視覚野(V1)において初めて刺激方位選択性が生じると考えられている。またLGN及びV1ニューロンは受容野外に提示された刺激により主に抑制性の修飾を受ける。筆者はLGNとV1ニューロンの刺激方位選択性と受容野周辺抑制の方位選択性を比較した。90%以上のLGNニューロンは最適空間周波数より高い空間周波数を有し、かつ最適刺激サイズよりも大きな刺激に対して有意な方位選択性を示した。しかし、その方位選択性の程度はV1ニューロンよりも弱いものであった。受容野周辺抑制についてもLGN,V1ともに有意な方位選択性が見られた。方位選択性の程度はLGNとV1の間に有意な差が認められなかった。以上の結果から、LGNの段階で多くの細胞が方位選択性を示すことが示され、その特徴は主に網膜神経節細胞の受容野構造と方位選択的な受容野周辺抑制によって形成されることが示唆された。LGNニューロンの受容野構造は2つのガウス関数の差分で近似することによりうまく説明されることが知られているが、この結果は受容野構造が楕円形をしていることを示唆する。また、LGNの方位選択的な受容野周辺抑制は刺激応答に対する方位選択性を強める働きをすることが示唆された。方位選択的な受容野周辺抑制の源としては、LGNから視床網様核経由の反回性抑制とV1からのフィードバック抑制が考えられる。(602字)
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