高自由度近可積分ハミルトン力学系の大域的相空間構造
Project/Area Number |
03J04661
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
工学基礎
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
後藤 振一郎 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ハミルトン力学系 / カオス / 統計力学 / 摂動法 / 相空間構造 |
Research Abstract |
研究課題:「高自由度近可積分ハミルトン力学系の大域的相空間構造」の研究を日本学術振興会の特別研究員(ポストドクター)制度と科学研究費補助金制度の協力を得て行なった. 研究テーマ(A):『4次元シンプレクティックマップの低次元共鳴島の解析的表現』(出版済論文) 研究テーマ(A)の意義:高自由度の力学系は必然的に高次元の相空間が研究対象となり,幾何学的直観による理解が困難となる.更に近可積分系の相空間では,カオス領域が相空間で混在していることにより力学系の統計的な記述が困難である.従って,本研究課題「高自由度の近可積分ハミルトン系の大域的相空間構造」への接近には工夫が必要となる.特異摂動法としての『くりこみ法』はこのような難問にアプローチする理論的枠組の候補である.それはこの摂動法が系統的な手順により,与えられた近可積分系の簡約化が可能になるからである.上記の相空間構造の理解の中で特に,相空間大域的なカオスの発生起源となる意味で重要な,「共鳴島の相空間中での配位の確定」は基本的な問題である.それゆえ,これを「くりこみ法」により議論した. 研究テーマ(A)の成果:4次元の相空間内で定義されたシンプレクティックマップ(ハミルトン力学系)の共鳴島構造を解析的に与え,それを2次元低次元共鳴島の場合に数値的に確認した. 研究テーマ(B):『不安定周期軌道からリアプノフ数とマクロ変数期待値へ-周期軌道依存性-』(投稿中論文) 研究テーマ(B)の意義:大自由度ハミルトン系のマクロ変数期待値という統計力学の適用対象とその周期軌道という力学系の相空間の情報を結び付ける意味で,興味が持たれ近年研究が活発になりつつある研究領域が研究テーマ(B)である.しかし,その相空間内で見付かる周期軌道をどのように選べばマクロ変数期待値を再現するかは未知である.それゆえ,マクロ変数期待値を周期軌道から決定する際にこの研究は重要となる. 研究テーマ(B)の成果:解析的に表現される周期軌道が少なくとも自由度の数見付かる「離散非線形シュレーデインガー方程式」においてマクロ変数期待値とリアプノフ数を周期軌道による予言と数値計算による評価の比較を行った.予言に用いるべき周期軌道は系の対象性を反映しているべきである事を示唆した結果となった。 科研費の使途:数値データ等の保持に必要な「計算機に接続する外部記憶媒体」の購入,また,昨年度得られた成果発表等及を行なうため,国内外で開催された会議出席等のための旅費にも科研費を使わせて頂いた.
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)