Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
1.α凝縮状態はα分解敷居値近傍に共鳴状態として現れると考えらるため,境界条件を付けた正しい共鳴状態の取り扱いが必要不可欠である.共鳴状態を扱うACCC法についてその内在する欠点を克服し,物理的に妥当な新たな方法を提案し議論を深めた.ACCC法は,状態のエネルギーと崩壊幅を議論することは出来るが基本的に共鳴の波動関数についての情報は何も与えない.昨年度考案した,束縛状態近似の範囲でより正確な共鳴の波動関数を得る方法(拡張版束縛状態近似)に対して,更なる考察を加えると共に,その得られた状態を利用したACCC法の改良版を考案した.それらの結果を論文に纏めた.この改良版とは,ACCC法のアイディアに立脚して,拡張版束縛状態近似によって得られた共鳴の波動関数を利用し,共鳴状態の巾を求める方法である.従来のACCC法が非常に高い数値精度の計算を必要としていたのに対して,改良版ACCC法では,遥かに低い精度の計算で巾がユニークに決定出来ることを示した. 2.3α,4α凝縮波動関数を用いて,12C及び160における非弾性電子散乱の形状因子についての分析を行い,その結果を論文に纏めた.12Cの第二0+状態は3つのαクラスターが希薄ガス構造を形成し最低エネルギー軌道に凝縮した、非常に半径の大きな状態と考えられている.この励起状態の半径が非弾性電子散乱の形状因子の絶対値を利用して議論出来ることを示した.この状態の形状因子の実験値は,3α凝縮波動関数の予言と見事に一致するが,同時にその波動関数の与える半径が,より大きくても小さくても、形状因子の絶対値は大きく変化し実験と合わなくなることを示した.
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