花の相称性を支配する遺伝的メカニズムとその進化機構の解明
Project/Area Number |
03J06945
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
系統・分類
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福田 達哉 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 左右相称花 / 放射相称花 / 分子進化 / 系統進化 / 被子植物 / 形態形成 / 多様化 / 選択圧 / 遺伝子発現 / 遺伝子重複 |
Research Abstract |
本研究では植物の形態進化を直接司る遺伝的背景を明らかにする進化発生学的研究として、花の相称性の進化や同花被花植物が一般的である単子葉植物における異花被花の進化に関して、形態形成遺伝子を対象とした研究を現在行ってきた。花の相称性に関しては、形態形成のモデル植物であるキンギョソウなどで花の相称性を支配することが明らかになったcycloidea(cyc)遺伝子に注目し、それらと系統的に離れたマメ科植物の花から相同遺伝子の単離、および発現解析を行った。その結果、マメ科植物が進化した後にcyc相同遺伝子が重複を繰り返したために、現在のマメ科植物に見られる複雑な左右相称花が進化した可能性が高いことを示した。さらに、マメ科植物におけるcyc相同遺伝子の発現パターンを明らかにするために、in situ hybridizationを行った結果、単離された複数の遺伝子のうち2つの遺伝子が、キンギョソウで明らかになっているcycの発現パターンと類似することが明らかになった。これらをもとに、被子植物で繰り返し進化している花の左右相称性に関して、cyc相同遺伝子の役割についての仮説を提唱した。 また単子葉植物における同花被花と異花被花の分化に関しては、モデル植物で提唱されている花のABCモデルをもとに、同花被花や異花被花などの系統的に離れた分類群から花弁形成に関わるBクラス遺伝子群と呼ばれるglobosa)(glo)相同遺伝子とdeficiens(def)相同遺伝子を単離し、萼片および花弁において発現パターンの比較を行った。その結果、同花被花ではBクラス遺伝子が萼片形成領域まで発現が拡大しているのに対し、異花被花においてはBクラス遺伝子のうちdef相同遺伝子の発現が、萼片形成領域で見られない点で異なることが明らかとなった。これらの結果から、共通してみられるdef相同遺伝子の発現パターンの変化と異花被花の進化の相関について仮説を提唱した。
|
Report
(3 results)
Research Products
(15 results)