Project/Area Number |
03J07009
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | Kyoto University of Education (2004) Tohoku University (2003) |
Principal Investigator |
花田 里欧子 京都教育大学, 教育学部, 講師 (10418585)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 家族療法 / コミュニケーション / システム論 / 抵抗 / 不登校 / 引きこもり / 臨床心理学 / メンタルフレンド |
Research Abstract |
不登校や引きこもりのケースに対して、児童相談所、病院等の医療機関等の現行の専門機関は、十分に機能しているとは言い難い現状がある。なぜならば、これらの専門機関においては、問題解決には本人の受診や相談や、本人が治療への動機付けを持っていることが前提となっているために、引きこもりや不登校のように本人の受診や相談への動機付けがないケースに対して無力にならざるを得ないからである。こうした中、不登校や引きこもりなどの子どもに「こころの家庭教師(ソリューション・ティーチャー)」を派遣し、家族の協力を得て問題解決の手助けを行う特定非営利活動法人メンタルコミュニケーションリサーチ(以下MCRシステム)は、画期的な組織体制や取り組みによって、従来の専門機関が手をこまねいてきた引きこもりや不登校等のケースにおいて成果をあげている。不登校や引きこもりの子どもに家庭教師を派遣する取り組みはこれまでにもあるが、MCRシステムが特徴的なのは、臨床心理士やカウンセラーによる両親に対するコンサルテーションが行われていることである。これによって、カウンセリングの過程でクライエントである親が、問題に対する専門的援助を求めながらも治療の手続きや進行に従うことができないという引きこもりや不登校のケースに見られがちな「抵抗」が回避されている。本研究は、MCRシステムの協力のもと、2004年4月〜2004年10月現在までの期間、そこで報告された引きこもり、不登校改善事例のコミュニケーション・プロセスについて実地調査研究を行った。研究Iとして、日本人に特徴的な抵抗の構造を明らかにするため、(1)投影法による抵抗測定尺度の作成、(2)観察法によるアセスメント方法の構築を行った。研究IIとして、抵抗が高い心理療法が開始された治療当初の場面における会話と、抵抗が低まる心理療法が進行した治療後期の場面における会話の、共通点と相違点を明らかにした。研究IIIとして、抵抗が軽減された実際のケースの分析から、抵抗を回避、軽減するようなコミュニケーション・パターンを整理し、解決方法の提案を行った。
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