環状テトラピロール系金属錯体の特性評価と触媒反応への応用
Project/Area Number |
03J07959
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
合成化学
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
有留 功 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ポルフィリン異性体 / ポルフィセン / コバルト錯体 / 酸化還元挙動 / 電解反応 / コバルト-炭素結合 / 触媒反応 / 酸化反応 / 臭素化 / 電解還元 / ヘミポルフィセン / 軸配位平衡 / 脱ハロゲン化 |
Research Abstract |
ポルフィセンは生体テトラピロール色素として知られるポルフィリンの構造異性体であり、その構造的特異性から新たな物性や機能の発現が期待されている。本研究では電解反応触媒への応用を念頭に、ポルフィセンCo^II錯体の酸化還元挙動および電解還元条件における反応特性を検討した。 サイクリックボルタンメトリーおよび定電位電解UV-visスペクトル測定の結果、非ハロゲン系溶媒中では環のπ電子系が可逆な2段階過程を経て還元され、それぞれCo^II-πアニオンラジカルおよびジアニンを生成することを明らかとした。一方、ハロゲン化アルキル存在条件においては第1還元過程が非可逆となり、Co^IIポルフィセンπアニオンラジカルとハロゲン化アルキルとの反応が示唆された。そこで、定電位電解UV-visスペクトル測定および^1H-NMRによる電解生成物の同定を行ったところ、光敏感性コバルト-炭素結合を有するアルキルコバルト錯体が生成していることが明らかとなった。さらに、スピントラップ実験により反応機構の検討を行った結果、アルキルラジカルの生成が確認された。このことから、Co^IIポルフィセンπアニオンラジカルからハロゲン化アルキルへの電子移動によるアルキルラジカル生成を経て、アルキルコバルト錯体が形成されていることを明らかとなった。ポルフィリン等の天然骨格の場合、電解還元条件におけるアルキルコバルト錯体の形成は求核性Co^I種を経由することが知られており、上記の結果はポルフィセン錯体の特異性を反映したものと言える。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)