Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
ジュゴンは草食性で、盲腸内で繊維を消化する後腸発酵動物である。ジュゴンの飼料の利用性や大腸での発酵様式を、同じ後腸発酵動物であるマナティーやウマと比較するために、動物種(ジュゴン、マナティーやウマ)と飼料(アマモ、オーチャードグラス、アルファルファ)を要因とし、嫌気状態で腸内細菌を用いてバッチ培養を行った。発酵様式については発行後の細菌重量、ガス放出、短鎖脂肪酸組成、基質の消失率で評価した。基質の消失率はウマでもっとも高く、ガス放出量はジュゴンが高いことが認められた。短鎖脂肪酸組成に関しては動物種間に大きな違いはなかった。飼料間ではガスや短鎖脂肪酸総量でアルファルファ>オーチャードグラス>アマモの順であった。このことから、飼料を大腸で発酵すると、海牛類と陸生ほ乳動物との間に違いは認められなかったが、ジュゴンはガス放出が多いことで他の動物種とは異なることが示唆された。また、大腸内の発酵性に動物種の間に大きな違いが認められなかったことから、盲腸が発達しているモデル動物としてモルモットやラットを用いて、盲腸内の環境を明らかにするために、細菌叢の分布や撹拌について実験を行った。モルモット大腸内容を部位ごとに採取し、DNAを抽出してPCR-DGGE (Denaturing gradient gel electrophoresis)で細菌群の分布の解析を行った。その結果、大腸内に細菌種が異なる部位が幾つかあることが認められた。また、この様な細菌種が盲腸内で撹拌されないかどうかを、ラット小腸遠位末端にバリウム溶液1mlを注入してCTスキャンで観察した。その結果、バリウムの希釈や撹拌は良好ではないことが明らかになり、盲腸内での撹拌が乏しく、細菌種が完全に混ざらないことが推察された。このことから、盲腸は部位ごとに細菌種が異なり、繊維の消化能力は部位によって異なり、それらの細菌種はそれぞれが撹拌されづらい可能性が示唆された。このような盲腸内環境はジュゴンにおいても見られる可能性がある。
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草地学会誌 (印刷中)