難治性炎症疾患におけるオステオポンチン作用の分子機序の解明
Project/Area Number |
03J50011
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
免疫学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森本 純子 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特別研究員-DC2
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | オステオポンチン / 肉芽腫形成 / β-glucan / 肝障害 / ケモカイン / インターロイキン12 / インターフェロンγ |
Research Abstract |
1.酵母菌体成分であるβ-glucanをオステオポンチンノックアウト(OPN-/-)マウスに静脈内投与するとOPN-/-マウスではワイルドタイプ(WT)マウスと比べ肝臓内の肉芽腫形成遷延化および肝障害が低下することを明らかにした。OPNは肉芽腫形成遷延化に関与することが示唆された。 2.OPNに対する特異的抗体を用いて免疫染色を行ったところ、WTマウスの肉芽腫内においてOPN蛋白の強い発現が認められた。OPNが肉芽腫形成に重要な分子であることが示唆された。 3.肝臓内に発現する様々なケモカインの発現をリアルタイムPCR法および免疫染色により検討した結果、WTマウスとOPN-/-マウス間でその発現量に差を認めなかった。OPN-/-マウスにおける肉芽腫形成遷延化能の低下は、ケモカイン産生能の低下に起因するものではないことが示唆された。 4.局所リンパ節である肝リンパ節における樹状細胞,CD4T細胞,CD8T細胞の数をフローサイトメトリ-を用いて検討したところ、β-glucan投与に伴う著しい増加が認められたが、両マウス問で差は認められなかった。さらにリンパ節細胞を抗CD3抗体で刺激した後、培養上清中のIL-2およびIFN-γの産生について検討したが、両者間で差は認められなかった。 5.免疫染色により肝臓内浸潤細胞(CD4T細胞,樹状細胞,マクロファージ)を検討した結果、肉芽腫瘍形成後期段階において、OPN-/-マウスではこれら浸潤細胞の数が減少していた。OPN-/-マウスでは肉芽腫瘍形成後期段階において、炎症性細胞の肝臓内浸潤が低下するために、肉芽腫形成遷延化および肝障害が低下することが示唆された。 6.OPN-/-マウスでは、肉芽腫形成初期段階で肝臓内におけるIL-12およびIFN-γの産生が低下していた。また肉芽腫形成後期段階ではTNF-α産生量の低下を認めた。しかしながらIL-4およびIL-10の産生量は、両者間で差は認められなかった。OPN-/-マウスでは肉芽腫形成初期段階において、肉芽腫内のIFN-γおよびIL-12の産生量が低下するために肉芽腫形成遷延化および肝障害が低下することが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)