Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
実用熱電変換材料として有望視されているBa-Ga-Ge系type-Iおよびtype-IIIクラスレート化合物の詳細な結晶構造解析,および熱電変換特性の測定を行い,内包金属原子の熱振動挙動と格子熱伝導率低減に関する考察を行った.結晶構造解析には,SPring-8の放射光を線源とした粉末X線回折法を用い,電気抵抗率測定には四探針定常法を,熱伝導率測定には定常法とレーザーフラッシュ法を用いた. リートベルト解析を行うことにより,type-Iクラスレート化合物ではBa原子を内包している14面体ケージ構造がGa添加量の増加とともに一様に膨張するのに対して,type-IIIクラスレート化合物では,Ga添加に伴って変形12面体ケージ構造がx軸方向に伸び,異方的に変形することがわかった.スプリットサイトモデルを内包Ba原子サイトに適用することにより,type-Iクラスレート化合物では6dサイトから24jサイトに,y-z平面上で4つに分裂する一方で,type-IIIクラスレート化合物では12dサイトから24eサイトにx軸方向に2つに分裂することが明らかになった.この内包Ba原子サイトの分裂幅は,いずれの構造タイプにおいてもGa添加量の増加とともに増加し,それを内包している多面体ケージ構造の形状や大きさの変化に対応している.スプリットサイトモデルにより得られた内包原子サイトの分裂幅と格子熱伝導率の間に負の相関があることを見出し,内包原子サイトの分裂幅がその結晶ポテンシャルの非調和性に対応するパラメーターであることを明らかにした.スプリットサイトモデルを適用した結晶構造解析を行うことにより,その分裂幅から格子熱伝導率の低減を予測できることを提示した.
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