Project/Area Number |
04045016
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | University-to-University Cooperative Research |
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
朝野 洋一 茨城大学, 教養部, 教授 (80106731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛 剣雄 復旦大学, 歴史地理研究所, 教授
周 振鶴 復旦大学, 歴史地理研究所, 教授
徐 朝龍 茨城大学, 教養部, 助教授 (80235811)
植野 弘子 茨城大学, 教養部, 助教授 (40183016)
鶴間 和幸 茨城大学, 教養部, 助教授 (50143144)
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Project Period (FY) |
1992 – 1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 南方シルクロード / チベットルート / チベット仏教 / チベット族の家族構造 / 雲南ルート / 古代蜀文化 / 西南青銅器文明 / 漢族の移住 |
Research Abstract |
南方シルクロードに関する日中共同シンポジウム(中日“古代西南地区中外交通"学術討論会)が四川大学歴史系において開催された。本研究組織参加者、四川大学をはじめとする四川省の研究者、雲南省・チベット自治区の研究者によって、考古学、歴史学、地理学、民族学、文化人類学の各分野から多角的な考察の成果が発表され、活発な論議が交わされた。南方シルクロードは、四川・チベット・インドルートと、四川・雲南・ビルマルートが存在する。そこで、朝野・植野・周はチベット自治区において、鶴間・徐・葛は四川省・雲南省においてそれぞれ調査を実施した。 チベットでは、ラサ市・日喀則市・江孜市の寺院などを詳細にみてまわり、チベット仏教ならびにチベット人と仏教の関わりの深さについて多くの知見を得ることができた。さらにラサ郊外の農村において現地調査を実施し、農家の生活、農業の実態を知ると共に、家族展開・婚姻居住に関する資料を収集し、可塑性に富むチベット族の家族構造について知見を得た。特に、近年増加傾向にある四川省からの漢族の農業出稼ぎ移民による施設園芸(野菜栽培)については、土地の貸借や経営上の問題に関して興味ある事実が明らかになった。こうした漢族の移住、農民と牧畜民との交易関係、仏教寺院の分布がチベットルートの考察に不可欠であることを確認した。 雲南ルートの調査は、まず四川省広漢県の三星堆遺跡において、秦によって減亡させられる前の古代蜀文化の独自性を確認し、四川省西昌の巨石墓、雲南省昆明の石泰山、江川の李家山の墓葬でも西南青銅器文明の存在を実見した。この蜀文明や西南文明の地は秦漢時期の移民によって中華世界に組み込まれていった。南方シルクロードの成立の背景に関して、四川から南方への漢族の移民について考えるべきことが明確になった。
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