消化器癌における細胞接着分子の遺伝子及び機能解析と診断応用
Project/Area Number |
04151052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
谷内 昭 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50045324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野田 裕治 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10165128)
名倉 宏 東北大学, 医学部, 教授 (90022821)
及川 信三 サントリー生物医学研究所, 主任
宮木 美知子 都臨医総合研究所, 腫瘍生化学, 室長 (20085624)
神奈木 玲児 愛知県がんセンター研, 病理学, 部長
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥9,200,000 (Direct Cost: ¥9,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥9,200,000 (Direct Cost: ¥9,200,000)
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Keywords | 細胞間接着分子 / ICAM-1 / セレクチンファミリー / DCC / CEAファミリー / チロシン脱リン酸化酵素 |
Research Abstract |
谷内班員は、ICAM-1分子に対する互いにエピトープの異なる2つのMoAbを用いて、消化器癌血中ICAM-1を測定した。健常者では陽性率が4%であるのに対し、胃癌、大腸癌でそれぞれ63%、41%に陽性であり、特に肝転移症例で高値を示す傾向であった。神奈木班員は、セレクチンファミリーの細胞接着因子に対するリガンド糖鎖のうち、carcinoembryonicな性格を有するシアリルLe^2について、膵の発生過程における発現を検討し、原始膵管の上皮細胞に特異的に出現することを明かにした。宮木班員は、N-CAM様細胞外ドメインを有する癌抑制遺伝子DCCの大腸腫瘍における発現をRT-PCR法で検討した。その結果、腺腫、粘膜内癌では正常粘膜と同様の高い発現が見られたのに対して、浸潤癌ではほとんど発現していなかった。名倉班員は、潰瘍性大腸炎および分化型大腸癌におけるICAM-1,VCAM-1,E-selectinの発現を免疫組織学的に検討し、炎症が強くなるに従い、ICAM-1およびE-s穂lectionが細静脈内皮に発現することを明かにした。及川班員は、CEAファミリーであるBGPaの接着分子としての機能を、トランスフェクトーマを用いて検討し、ホモのCa^<2+>非依存性接着活性を示す以外に、CEA,NCAとのヘテロの接着活性も有することを示した。日野田班員は、チロシン脱リン酸化酵素(PTP)ファミリーの4つの新しいメンバーのcDNAクローニングに成功し、それらのmRNAの発現を消化器癌において検討した。班全体としては、遊離型ICAM-1、セレクチンファミリーのリガンド糖鎖、DCCおよびCEAに関して、癌細胞の転移との関連性が示唆されているため、転移におけるこれらの分子の役割が今後の中心的な課題となろう。血管内皮における他の接着分子の発現や接着分子型PTPの機能についてもこのような観点から解析を進める予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)