TGFβにより誘導される遺伝子の細胞増殖における機能の解析
Project/Area Number |
04152030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
野瀬 清 昭和大学, 薬学部, 教授 (70012747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真下 順一 昭和大学, 薬学部, 助手 (60054045)
江川 清 昭和大学, 薬学部, 講師 (00095879)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | TGFβ / cDNAクローニング / 癌抑制遺伝子 |
Research Abstract |
TGFβで誘導される遺伝子として我々の分離した2個の遺伝子(TSC-36,HIC-5)の機能を解析した。TSC-36に関し、ペプチドを用いてその産物に対する抗体を作製し、蛋白質の検出を行なったところ、細胞外に放出される分泌蛋白質であることが明らかとなった。cDNAの構造からこれのコードする蛋白はフォリスタチンと部分的な相同性を持つことが示された。TSC-36mRNAは、rasにより形質転換した細胞で発現が消失し、フラットリバータントで発現が回復するので、がん形質と何らかの関連があると考えられた。そこでこの遺伝子の発現ベクターを作製し、培養センイ芽細胞への導入を行なった。導入細胞では、増殖、形態に大きな変化は見られなかった。しかし、NIH3T3細胞に各種がん遺伝子と共にTSC-36発現ベクターを導入し、フォーカス形成を見たところ、rafによる形質転換を抑制することが明らかとなった。従ってTSC-36遺伝子は、発癌抑制機能を持つことが考えられる。 HIC-5に関しても、同様にペプチドを用いて抗体を作製し、細胞内の遺伝子産物の検出を行なった結果、分子量55KDaの核蛋白であることが示された。cDNAから予想されるアミノ酸配列から、この遺伝子は7個のZn-フィンガーを持つ蛋白質をコードすると考えられる。その特微からDNAに結合する転写因子と考えられた。このcDNAの発現ベクターを作製し、細胞への導入を行なったところ、マウス骨芽細胞で細胞の増殖を阻害したが、NIH3T3細胞には影響を与えなかった。従って、HIC-5遺伝子は細胞種に特異的に増殖抑制を行なうものと考えられる。TGFβは、増殖抑制因子として知られるが、その作用を媒介すると考えられる2個の新しい遺伝子が分離されたと考えられ、今後さらにこれらの機能を解析する必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)