トランスジェニックマウスを用いたB型肝炎ウイルスX遺伝子による肝発癌機構の解析
Project/Area Number |
04152041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 佳明 東京大学, 医学部(病), 助手 (40172879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四柳 宏 東京大学, 医学部(病), 医員
飯野 四郎 東京大学, 医学部(病), 講師 (30010309)
小池 和彦 東京大学, 医学部(病), 助手 (80240703)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 肝発癌 / B型肝炎ウイルスX遺伝子 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
B型肝炎ウイルスのX遺伝子をその制御領域のもとに導入したトランスジェニックマウスで高率に肝癌が発生した。このマウスを出生時から詳細に検討すると、X遺伝子の発現は出生時から肝中心静脈の周囲に見られたが、前癌状態と考えられる空胞性の変化(変異肝細胞)は生後2カ月より出現していた。また、これらの細胞はPAS染色陽性でグリコーゲンの蓄積を示していた。この病変は10カ月齢まで不変あり、12カ月齢で異形成細胞群が出現した。また、異形成出現以前の肝のDNA量分析では、正常に認められる2N、4Nのピークが減少し、aneuploidの小さいピークが複数認められていた。そして、肝静脈周囲の変異肝細胞では核のDNA合成がこう進していた。 X遺伝子発現レべルの異なる複数の系統のマウスの検索では、発現の低いマウスでは肝発癌は起こらず、あるレべル以上のマウスでは9割で肝発癌が認められた。 癌遺伝子の検索では、myc、ras、fos、N-myc、jun、pim-1などの発現量の変化は見られなかった。増殖因子関連では、EGF、aFGF、HGFのいずれにおいても発現の変化は認められなかったが、HGF-R(met)の発現の上昇が肝癌出現前のトランスジェニックマウス肝で認められた。また、肝癌発生において導入HBV遺伝子を巻き込んだ遺伝子再編成は見られず、このトランスジェニックマウスの系での肝発癌においては遺伝子再編成は不要と考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)