肝類洞で起こる胸腺外T細胞分化経路の抗腫瘍免疫で果たす役割
Project/Area Number |
04152046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
安保 徹 新潟大学, 医学部, 教授 (30005079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 久実 新潟大学, 医学部, 助手 (50143756)
松本 陽 新潟大学, 医学部, 講師 (90173921)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 胸腺外T細胞 / 肝類洞 / αβT細胞 / 1L-2R_β / 胸腺萎縮 |
Research Abstract |
筆者らは、胸腺で分化、成熟し、末梢に分布して働く通常のT細胞の他に、胸腺外分化するT細胞を見い出している。本研究では、さらに以下のことを明らかにできた。 1)胸腺外T細胞の主要部位とその性状 胸腺外分化の起こる主要部位は、肝類洞と腸管上皮である。しかし、マウスを用いた実験で、流血中や癌局所にも胸腺外T細胞は認められ、これらはいずれも、肝タイプのものと形貭が一致した。つまり、1L-2R^+_β、intermediate TCR^+2である。この肝T細胞はLGLの形態を持ち、通常のマイトゲンに反応しないが、SEBなどのスーパー抗原には高い反応を示した。TL-トランスジェニックスマウスを用いた実験で、多様性の少いnonclassical MHCと認識系を構成していることが示唆された。 2)担癌状態で認められた胸腺外T細胞の活性化について C57BLマウスとMCA腫瘍、またrat-トランスジェニックマウスでメラノーマを自然発症する系で、胸腺の萎縮(〉95%)と共に、肝類洞での胸腺外T細胞の活性化が誘導された。DNCD4^-8^-αβT細胞を主体とした反応である。これらはさらに、腫瘍特異的キラー活性を発揮した。しかし、担癌末期になると、肝でのT細胞の分化も抑制されてしまうのが、今後の研究課題である。 3)癌局所浸潤リンパ球について intermediate TOR^+、1L-2R^+_βの胸腺外T細胞が、癌局所に侵潤するT細胞の2/3を占めることが上記の実験系で明らかになった。腫瘍免疫における胸腺外分化T細胞の重要性が示唆される。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)