卵巣癌細胞における薬剤耐性克服薬の新規開発とその機能
Project/Area Number |
04152058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
日高 弘義 名古屋大学, 医学部, 教授 (80100171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳光 浩 名古屋大学, 医学部, 助手 (20237077)
渡辺 正人 名古屋大学, 医学部, 助手 (30220924)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 卵巣癌 / 薬剤耐性 / P糖蛋白 / グルタチオン-S-トランスフェラーゼ / アドリアマイシン / W-77 / バイオケミカルモデュレーション |
Research Abstract |
卵巣癌の化学療法では薬剤耐性が大きな障害となっており、P糖蛋白やグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)が耐性のメカニズムに関わるとされている。新規開発薬剤W-77がGSTと結合するという事実から我々は、W-77とアドリアマイシン(ADR)耐性との関わりを以下の方法を用いて研究した。ドラッグアフィニティーカラムクロマトグラフィーを用い、W-77とGSTとの結合について調べた。W-77のGST活性抑制効果を吸光度を用いて測定した。卵巣癌耐性株NOS2、NOS3およびADR耐性の細胞株NOS2AR、NOS3ARを確立し、MDR1とGSTの発現を調べた。MTTアッセイでW-77とベラパミリによる癌細胞のADRに対する感受性の変化を測定し比較した。^<14>C-ADRを用い、細胞内のADRの量への薬剤の影響を調べた。[結果]W-77は、直接GSTと強く結合した。W-77は、下拮抗的にGSTの活性を阻害し、1mMグルタチオン、1mMCDNB存在下300μMで47.3%に低下させた。P-糖蛋白とGSTは、耐性株で過剰発現した。ADR感受性試験ではNOS2に対し67.8倍の耐性を持つNOS2ARは10μMW-77の投与により10.6倍に低下するが、10μMベラパミルでは17.5倍であった。NOS3に対し18.8倍の耐性を持つNOS3ARは、10μMW-77の投与により6.0倍に低下するが、10μMベラパミルでは9.6倍であった。耐性株の細胞内ADR量は10μMW-77は10μMベラパミルと共にNOS2ARでは約1.5倍、NOS3ARでは約2.2倍に増加させた。[結語]以上より、W-77は、P-糖蛋白とGSTの両方の活性を阻害することにより耐性を克服することが判明し、それはP-糖蛋白の活性阻害剤であるベラパミルより有効であった。
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Report
(1 results)
Research Products
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