レチノイン酸による白血病の分化誘導療法と分化機構の分子生物学的解明
Project/Area Number |
04152059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大野 竜三 名古屋大学, 医学部, 助教授 (70093002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福谷 久 名古屋大学, 医学部, 医員
久保 和明 名古屋大学, 医学部, 医員
直江 知樹 名古屋大学, 医学部, 講師 (50217634)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 1992: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Keywords | レチノイン酸 / 白血病 / 分化誘導療法 / レチノイン酸受容体 / RAR遺伝子 / PML遺伝子 / 分子生物学 / 急性前骨髄性白血病 |
Research Abstract |
[目的]急性前骨髄球性白血病(APL)におけるPML、RAR遺伝子間の再配列と、その臨床的意義を解析する。またAll-trans retinoic acid(ATRA)の分化誘導機序の解明を行う。 [成果] 1)40例のAPL細胞を対象とし、RAR遺伝子cDNAおよび5'PML、3'PMLcDNAをプローブとしてサザンハイブリダイザーションを行った。RAR遺伝子切断は全例イントロン2で起きていた。PML遺伝子切断点はイントロン3、イントロン5周辺からエクソン6イントロン6の2箇所に集中していた。PML再配列を認めた36例中3'側切断は28例、5'側切断は8例であった。PML遺伝子切断部位の相違と、病像やATRAに対する反応性の間には差を認めなかった 2)PML遺伝子切断部位により、PML/RARキメラ転写物の構造が異なった。RT-PCRによる残存腫瘍の検出をプロスペクティブに行った。感度は、10^<-5>で、治療開始4カ月目に残存腫瘍が検出不能となった6例では、全例1年以上寛解を持続しているが、検出された3症例ではすべて1年以内に再発した。 3)サイトカインとATRA存在下で、新鮮APL細胞の軟寒天培養を行い、APL細胞コロニーの分化が確認された。 [所見] 1)日本におけるAPLのPML,RAR遺伝子再配列は、欧米に比しPML遺伝子下流切断が多いことが特徴と考えられた。PML遺伝子切断部多様性の臨床的意義は認められなかった。 2)APLの微量残存腫瘍の検出が可能があり、地固め、強化療法の有効性を確認できた。APLのプロスペクティブスタディの結果、残存腫瘍の減少と予後には相関が認められた。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)