細胞増殖因子としてのタキキニンペプチドの受容機構の研究
Project/Area Number |
04152097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大久保 博晶 熊本大学, 医学部, 教授 (20094089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 義史 熊本大学, 医学部, 助手 (50222386)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | タキキニンペプチド / サブスタンスP / サブスタンスK / ペプチド性増殖因子 / G蛋白共役受容体 / キメラ受容体 / リガンド結合部位 / セカンドメッセンジャー |
Research Abstract |
7回の膜貫通部位を持つG蛋白共役受容体群に属し、細胞の増殖や分化を促進するタキキニンペプチド受容体の構造機能連関を明かにする目的で、サブスタンスP及びサブスタンスK受容体の各cDNA間で組換えを行い、キメラ受容体cDNAを作製した。これらを哺乳動物細胞に発現させ、共通の細胞内2次情報伝達物質であるイノシトール燐脂質代謝の活性化ならびにリガンド結合能を測定することにより、その機能を解析した。その結果、主として受容体の第2膜貫通部位から第2細胞外ループを含む領域は、固有の構造を持つタキキニンペプチドのN末側と相互作用し、リガンドに対する選択性を与える責任領域であり、またN末端の細胞外領域もそれに一部関与することが明かになった。一方、受容体の第5〜第7膜貫通部位を含む良く保存された領域は、タキキニンペプチドに共通のC末側構造の認識に重要な役割を果たすことが強く示唆された。これまで7回の膜貫通部位を持つG蛋白共役受容体群のうち、カテコールアミンやアセチルコリン等の低分子の古典的神経伝達物質の受容体は、その膜貫通領域においてリガンドと結合し機能を発揮することが明らかにされている。一方、性腺刺激ホルモンや甲状腺刺激ホルモンのような大きな蛋白性のリガンドの受容体では、N末側にアミノ酸400個程度の配列から成る非常に長い細胞外領域を有しており、この部分のみでリガンドを結合する能力を持つことが報告されている。リガンドの大きさが、これらの中間に位置するアミノ酸10個前後のペプチドの受容体では、リガンドと相互作用し機能を発揮するのに必要な部位は殆不明であったが、本研究結果から、興味深いことに膜貫通領域のみならずN末側の細胞外領域も必要なことが明かになった。本研究の成果は、ペプチド受容体のリガンド結合様式を初めて分子レベルで明かにしたものである。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)
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[Publications] Mori,M.,Yokota,Y.,yasue,M.,Serikawa,T.& Yamada,J.: "Assignment of the rat genes coding for substance P receptor,substance K receptor,and neuromedin K receptor to chromosomes 4,20,and 2,respectively" Cytogenetics and Cell Genetics. 60. 222-223 (1992)
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[Publications] Gether,U.,Johansen,T.E.,Snider,R.M.,LoweIII,J.A.,Emonds-Alt,X.,Yokota,Y.et al.: "Binding epitopes for peptide and non-peptide ligands on the NK_1(substance P)receptor" Regulatory Peptides. (1993)
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