Project/Area Number |
04152109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
幸田 光復 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (60124286)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 0^6-メチルグアニン / 0^6-ベンジルグアニン / 0^6-メチルグアニン-DNAメチルトランスフェレース / DNA修復 / 脱アルキル化 / シスプラチン-グアニン復合体 |
Research Abstract |
0^6-methylguanine-DNA methyltransferase(MGMT)の強力な阻害剤の構築、および作用機構の解明を目指して、種々の0^6-alkylguanine誘導体を合成した。これら化合物の脱アルキル化速度の検討、およびACNUに対する殺細胞性の増強効果を検討した。 その結果、以下の事柄を明らかにした。 1)脱アルキル化速度は環の電子状態に依存しており、良い阻害剤を構築するにはプリン環をより電子欠損状態にしてやれば良こと。 2)0^6-アルキル基に関しては0^6-ベンジル基が、0^6-メチル基よりはるかに良いアルキルドナーであること。 3)0^6-ベンジル基のバラ位の置換基効果はほとんど無いことから、反応はSN1/SN2機構で進行していること。 4)MGMT活性を有する培養癌細胞に対しては、0^6-ベンジルグアニン誘導体は20μM,二時間の前処理によりACNUの殺細胞効果を著しく高めこと(用いた細胞により異なるが最高91倍)。 5)MGMTの基質となるには0^6-位のアルキル基と2位のアミノ基の両方が必要であること。 6)MGMT阻害活性とシスプラチンの殺細胞性の両活性を持つ誘導体、A、の合成を試み、成功した。この化合物は、殺細胞性は認められたが、MGMT阻害活性は弱く、改良が必要である。 [所見]研究と目的に向かって、着実に進んできたと思っている。今回の実験を踏まえ、より強力なMGMT阻害活性を有する化合物の構築には、2位アミノ基やN1位は修飾せず、プリン環に強い電子吸引基を導入した化合物を合成すれば良いと考えられ、その線に沿った研究を既に開始している。またベンジル以外のアルキル基(ナフチル、ビフェニル、ビリジルメチル等)の効果についても検討を開始した。MGMT阻害活性と殺細胞性の両活性を有する誘導体の構築には、0^6-ベンジルグアニンとシスプラチンとの復合体を合成すれば良いと考えている。培養癌細胞に対し0^6-ベンジルグアニンの前処理により、ACNUの活性が百倍近くも上がったことは、今後、耐性癌細胞に対する治療とも関連し、将来、臨床にも応用でき得ることが期待される。
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