ヘテロサイクリックアミン等の代謝活性化に関与するP450IA2の発現制御機構
Project/Area Number |
04152126
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
根本 信雄 癌研究会, 癌研究所・実験病理部, 主任研究員 (10085631)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 1992: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
|
Keywords | チトクロームP-450 / ヘテロサイクリックアミン / 肝細胞初代培養系 |
Research Abstract |
ヒト癌の誘因物質として疑われている、ヘテロサイクリックアミン等の代謝に関係するP450IA2の発現を検討した。芳香族炭化水素誘導性P450にはIA1とIA2とが有り、IA1は誘導剤の処理によって始めて発現するが、IA2は肝臓で常在的にも発現している。肝細胞を単層培養で行うとIA1の誘導は可能だが、IA2の発現は急速に消失し、誘導もかからなくなる。従ってIA1の発現制御因子はいくつか報告されているが、IA2の発現制御機構はほとんど解かっておらず、研究のために適当な培養細胞系の開発が求められていた。我々は従来からの肝細胞を単層培養でなく、多細胞凝集塊(スフェロイド)の形で培養し、IA2の常在的な発現も誘導発現も培養開始後一週間程度減少すること無く高いレベルに保たれている系を開発した。発現量は、動物個体を芳香族炭化水素を処理して肝臓で誘導されるmRNA量に匹敵していた。スフェロイド培養系でのIA2の発現は、蛋白合成、指標酵素活性の上昇からも確認された。 スフェロイド培養系を使うことは、これまでは肝細胞の培養開始とともに急速に発現が無くなるため不可能であったIA2の発現に影響を与える諸因子の研究に有効と考えられる。これまでの成果として、IA1の発現に関わる寿命の短い発現抑制蛋白やcAMPは、IA2の発現には関与していないことが判明した。また、初代培養開始とともに変化する分化・増殖形質の発現と、このP450の発現との相関関係に付いても解析する有力な手段と考え、現在実験を進めている。さらにIA2の様に肝臓に特異的に発現するが、単層培養系に移すと発現が消失する他のP450分子種のいくつかも、スフェロイド培養系では発現が保たれることを確認しているので、その制御機構の解明に取り掛かっている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)