大腸癌細胞の生化学・分子薬理学的特性の系統的解析とその理論に立脚した新治療法の開発
Project/Area Number |
04152133
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
相羽 恵介 (財)癌研究会, 癌化学療法センター・臨床部, 医長 (90150086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向山 雄人 (財)癌研究会, 癌化学療法センター・臨床部, 医長 (10229924)
井上 雄弘 (財)癌研究会, 癌化学療法センター・臨床部, 医長 (80142032)
堀越 昇 (財)癌研究会, 癌化学療法センター・臨床部, 部長 (00085648)
小川 一誠 愛知県がんセンター, 院長 (70124245)
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Project Period (FY) |
1990 – 1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | ピリミジン代謝 / フッ化ピリミジン系薬剤 / thymidylate synthase / ピリミジン合成系代謝酵素 / ヒト大腸癌細胞株 / 薬剤感受性 / 薬剤耐性 |
Research Abstract |
進行大腸癌に対する標準的な化学療法は確立されていない。そこでヒト大腸癌細胞樹立株の生物学・生化学・分子薬理的特性を分子生物学的、細胞工学的手法を用いて系統的に解析をすすめ、薬剤感受性、耐性との関連性を有機的に解明し、併せて臨床サンプルにおいても同様の検討をすすめることから得られる知見に立脚した新しい治療戦略を開発することが本プロジェクトの目標である。薬池療法の主軸はフッ化ピリミジン系抗癌剤であることから、平成4年度はヒト大腸癌細胞7株を用いて感受性決定要因及び耐性因子を総括的に解析した。すなわち薬剤感受性には、Thymidylate synthase(TS)の酵素阻害が最も重要であり、また核酸(特にRNA)への取り込みも有意の相関が認められた。そしてこの背景には、抗腫瘍活性を有するヌクレオチド、特に5-fluorodeoxyuridine 5'-monophosphate(FdUMP)と5-fluorouridine 5'-triphosphate(FUTP)の産生量の多寡が重要であった。このことは代謝酵素の活性特性に起因していることが示唆された。すなわちフッ化ピリミジン系薬剤耐性株においては、同化酵素活性は低値であり、このためFdUMP,FUTP等の活性ヌクレオチドの生成が不充分であった。この結果、核酸への転入は相対的に少なく、またTS阻害も不充分となり、殺細胞効果の減弱、ひいては耐性化へとつながった。以上のin vitroの検討よりフッ化ピリミジン耐性に関与する2大要因が示唆された。一方臨床サンプルを用いての予備的検討では、大腸癌組織と正常粘膜とにおけるピリミジン代謝酵素活性の分析を試みた。TSに関しては癌と正常組織間に酵素量、酵素活性ともに有意差は認めなかったが、thymidine/uridine kinase,thymidine/uridine phospholylase,oroticphosphorybosil transferase等では有意差を認めた。癌化とピリミジン代謝酵素活性の増強相関について次年度は、細胞株を用いて検討をすすめる予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)