Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀家 正則 大阪工業大学, 建築学科, 助教授 (80221571)
瀬尾 和大 東京工業大学, 総合理工研究科, 助教授 (30089825)
入倉 孝次郎 京都大学, 防災研究所, 教授 (10027253)
工藤 一嘉 東京大学, 地震研究所, 助手 (50012935)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
「表層地質が地震動に及ぼす影響」国際共同研究によるブラインドプレディクションとその国際シンポジウムで公表された各種の強震動予測手法,予測結果を資料として,各手法の特徴,問題点について検討し以下の成果を得た. 1.予測結果の評価において,同様な計算プログラムを使用しているにもかかわらず,その結果が約2倍も異なっていることが大きな問題となった.検討の結果,入力波形の評価の違いがその主たる原因であることがわかった. 2.強震動予測の精度に関して,観測記録にもとづくスペクトル比を中心とした検討から,予測の誤差が平均的には観測の20%以内であれば十分妥当であると言わざる得ないことがわかった. 3.M5.1の地震の強震動を,M2.9の小地震の記録を用いて波形合成を行なった.岩盤上の記録を用いて震源モデルを作り,その震源モデルで地盤上の記録を推定した結果は,観測にきわめて良く一致した. 4.地震動予測に微動を活用する方法は,地震観測データや地盤資料の不足を補える点に工学的利点がある.各地の地盤条件と微動の適用限界を確認するため,足柄平野では詳細な微動観測を,また諸外国では予備的な微動観測を実施し,この簡便な方法が活用可能であることを確かめた. 5.地盤媒質(P波速度・S波速度・密度)の揺らぎの強震動に与える効果を調べるために,岩盤と地盤のアレイ記録を用いて地震動波形の相関を比較した結果,地盤の波形の相関の方が距離と周波数に関して急速に減少することがわかった.これは,地盤媒質の揺らぎが地震動に強く影響することを示唆している. 国際シンポジウムにおいては,地盤の2・3次元構造の影響,強震時における地盤の非線形挙動など新たな問題点も指摘され,「表層地質が地震動に及ぼす影響」に関するさらなる研究が切望されている.
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