美術工芸品の3次元振動性状の解明と耐震化方法の開発
Project/Area Number |
04201240
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ashikaga Institute of Technology |
Principal Investigator |
篠 泉 足利工業大学, 工学部, 助教授 (20178875)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 1992: ¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
|
Keywords | 美術工芸品 / 美術館 / 地震対策 / 剛体 / ロッキング / 転倒 / 滑り |
Research Abstract |
美術館等での調査結果を参考にして作成した美術工芸品モデルの振動台実験及び計算機シミュレーションを行って地震時の美術工芸品の振動性状を解明することにより、各美術工芸品により適した展示方法を決定するための基礎資料を得た。なお、今回対象とした美術工芸品は地震時に剛体的な振動の発生が予想される彫像や陶磁器である。以下に本研究により得られた結果を列挙する。 1.地震対策に関する調査により、展示の種類(屋外での展示、室内での常設展示、室内での企画展示など)によってその地震対策の程度に差のあることが明らかとなった。 2.美術館等での調査結果を参考に美術工芸品の簡略化モデルを作成し、その模型の振動台実験(水平一方向に加振)を行い、模型の形状(加振方向の幅と高さ及び加振方向と直角方向の奥行きの比率)や設置台の状態(設置面の摩擦係数)の違いによる振動性状の相違(2次元的な振動が主に生じるか、3次元的な振動が生じるか)、ロッキングや転倒が生じる加振条件の相違等を明らかとした。なお、本実験では、室内展示するような比較的小さな美術工芸品を設置台の上に単に置く状態(展示準備時などの地振対策上最も危険な状態に対応)を想定した。 3.振動台実験の結果によって有効性を検証した美術工芸品モデルの地振応答計算プログラムを利用して実地震記録を入力とした美術工芸品の地震時挙動(特に転倒せずに滑っているときの滑り量)を推定した。 4.各美術工芸品の地震時挙動を簡便に推測できるように、美術工芸品モデルの振動台実験及び計算機シュミレーション結果を基に模型の形状、設置面の摩擦及び予想される散震動レベルをパラメータとして地震時発生する振動状態を分類した。この分類を利用すれば設置台(面)変更などの対策の効果が評価できることになる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)