Project/Area Number |
04202111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 圭三 東京大学, 薬学部, 教授 (30072937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊川 清見 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (90120146)
加須屋 実 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (50045382)
岡田 昌二 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (40046256)
大西 克成 徳島大学, 医学部, 教授 (10037400)
井村 伸正 北里大学, 薬学部, 教授 (70012606)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥17,500,000 (Direct Cost: ¥17,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥17,500,000 (Direct Cost: ¥17,500,000)
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Keywords | 環境汚染物質 / 健康影響 / 複合要因 / 同時曝露 / 生体側要因 |
Research Abstract |
環境汚染物質の毒性発現に対する様々な要因の解析を続けている。まず、無機砒素化合物の発癌性の機構を解析し、これが生体内で代謝されジメチル砒素化合物に変化した後、更に生体内で酸素と反応しジメチル過酸化砒素ラジカルが生成し、DNA-adductを形成する事を明らかにした。また、最近ハイテク材料の素材として使用される事が多くなったイットリウムおよびランタンの生体内挙動について解析した結果、これらの金属はカドミウムに比べて桁違いに長い生物学的半減期をもつ事が明らかになった。また、残留した臓器(肺等)には好中球や好酸球が蓄積している事も示された。次に実際すでにカドミウム汚染を受けたヒトを対象に骨代謝の影響を調べた結果、カドミウムによる腎障害の進行とともに骨代謝異常をきたし、骨に蓄積した鉛が骨代謝亢進により血中へ放出される事が示唆された。 生体が環境汚染物質により傷害を受けた場合の生体側の防御機構について生化学的に解析した。環境汚染物質の多くがラジカルおよび活性酸素の生成を介して毒性発現することから、いわゆる酸素ストレスに対する防御系に注目した。まずグルタチオンペルオキシダーゼ活性が低い事が明らかになったモルモットを使って、本酵素とカタラーゼが酸素ストレスに対して相補的に働いている事を示した。また、酸素ストレスによってタンパク質、脂質等の生体成分が損傷を受けると、これらを選択的に分解する酵素系が存在する事が明らかになった。特に赤血球膜画分に分子量80kDaおよび72kDaの酸化タンパク特異的プロテアーゼが見い出され、ウシ脳可溶性画分には酸化リン脂質特異最ホスリパーゼが見い出された。本酵素は完全に精製され、45kDa,30kDa,29kDaのヘテロトリマー構造を有する全く新しい脂質分解酵素である事が明らかになった。
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