湛水土壌中のメタン生成菌の生態と湿生植物によるメタンの放出
Project/Area Number |
04202207
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
上木 厚子 山形大学, 農学部, 助教授 (60143088)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
我妻 忠雄 山形大学, 農学部, 助教授 (70007079)
上木 勝司 山形大学, 農学部, 教授 (10111337)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | メタン / 温室効果 / 嫌気性細菌 / 水田土壌 / 土壌ガス / メタン放出 / 湿生植物 / 酸化還元電位 |
Research Abstract |
メタンは、嫌気的環境下における有機物分解の最終段階において、絶対嫌気性細菌であるメタン生成菌によって生成される。メタン生成菌の直接の基質は各種細菌による有機物の分解にともなって生成される。従って、湛水土壌中の生物的メタン生成を制御するためには、メタン生成菌を初めとする各種細菌の生理・生態を知ることが重要である。このため我々は、メタン生成菌を初めとする各種細菌の水田土壌中における生態を明らかにするため、これらの細菌の層別分布や季節変化、さらにこれらの細菌に対するイネの根圏効果等について基礎的検討を行った。また、水田土壌中のガス組成と水田からのメタン放出量との関係を調べた。 湛水水田土壌中ではメタン生成菌数は表層より少し下層で最も高く、また、嫌気性細菌数は下層で、好気性細胞数は逆に表層が高かった。落水期には全般的に菌数は減少し、メタン生成菌数は湛水中の1/10程度であったが、どの層にも検出された。稲藁、堆肥各連用水田ともに根圏土壌中の方がメタン生成菌数を初めとする各種細菌数が非根圏土壌より高かった。メタン生成菌数は湛水中の方が落水期より高い傾向があったが、冬期でもさほど減少することなく土壌中に生存していた。各肥料の違いはこれらの菌数にはあまり影響しなかった。土壌ガス中のメタン濃度は、特に稲藁連用区で湛水直後からかなり高くなり、6月には高い区では50%程度になった。その後稲藁連用区では減少したが、無機質連用区ではあまり減少しなかった。メタン放出は5月にはほとんど認められなかったが、6月には稲藁連用区で顕著に増加した。しかし、それ以後はむしろその他の区の方が高くなり、無機質連用区では8月になってもメタン放出量が高い状態が続いた。この他の各肥料の施用量がそれぞれ異なる水田12区について、7月と8月の2回、土壌ガスとメタン放出量を同様に測定したところ、土壌ガス中のメタン濃度とメタン放出量には高い相関が認められた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)