Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
(1)メディエータの探索 ターンオーバー数が大きく化学的に安定なメディエータを金属塩及び金属錯体の中から探索した。また,電解媒体pHの反応特性に与える影響を考察し,酸性とアルカリ性電解媒体別個に検討した。メディエータの探索は,メディエータの酸化体の相当する酸化剤も用いた石炭の試薬酸化実験によりその分解度を求めることにより行った。その結果、石炭の効果的分解には酸性,アルカリ性電解媒体とも,メディエータの酸化還元電位が+0.7V程度以上であれば充分であることがわかった。また,この結果と電極の酸素過電圧及び金属塩,金属錯体の溶解性より,酸性電解媒体ではCr^<3+>,Mr^<2+>,Tl^+,Fe^<2+>の塩をアルカリ性電解媒体ではV^<4+>の塩あるいはK_4Fe(CN)_6を用いることにより,水の電解を抑えた効率的な石炭分解が行えることがわかった。 (2)電解条件の影響 メディエータの探索から得た結果に基づいて,酸性電解媒体ではMnSO_4,アルカリ性電解媒体ではK_4Fe(CN)_6を用いて石炭電解酸化を行った。その結果、石炭の酸化分解により生じたフミン酸がアルカリ性電解媒体では電解媒体中に溶解して行くのに対し,酸性電解媒体では石炭粒子表面上に留まり,pHにより石炭分解特性が相当異なることがわかった。また,メディエータ酸化体の生成に対する電解電圧の影響を酸化体生成速度と電流効率の面より評価することにより,最適電解電圧の決定を行った。 (3)石炭の電解酸化分解の律速過程と炭種の影響 メディエータを用いた石炭酸化分解において,総括の石炭分解速度が,メディエータ酸化体生成過程とこの酸化体による石炭酸化分解過程のいずれによって律速されるのかを検討した。その結果,律速過程はメディエータの酸化還元電位,炭種の双方に依存して異なり,特に炭種には著しく影響されることがわかった。
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