Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Research Abstract |
1.研究目的 本研究は安定化ジルコニア(YSZ)の薄膜化を中心課題とし,より高機能かつ高性能な固体電解質燃料電池(SOFC)の開発を最終目的としている。本年度は,極薄型セル面積の大型化にともなう熱応力の問題およびセル積層化技術に関する基礎的知見を得るため,従来からの研究成果を基に下記の項目について実験を行った。 2.研究成果と概要 1,応力緩和機能を有するジルコニア薄膜の作製 波形あるいは特定の襞形状に加工したニッケル箔上に電子ビーム蒸着法によりYSZを堆積し,後に下地の箔を溶解除去することにより,伸縮性を有する,襞付き電解質膜を作ることを考察し,これに成功した。襞付きYSZ膜の引っ張り強度試験を行った結果,襞付き極薄型セルができればセパレータとなる金属材料と十分応力の緩和が可能な状態で積層できることが分かった。 2,平板型セル用の空気極の作製と集電法の開発 空気極からの集電効率の向上を図るため,集電体材料の検討,集電方法の開発を行った。集電材料にはニッケル-クロム合金線に,線表面の電気伝導性を良好に保つためランタンコバルタイト粉末を焼き付けた複合材料を開発し用いた。この集電線を空気極に埋め込み同時にYSZ基板上に焼き付ける新しい方法を開発した。 3,平板型セルのスタック時におけるガスシールに関する検討 セルとセパレータのシール部には耐熱性のセメントを用いガスもれを防いでいる。しかしセルと合金の熱膨張の差から,電池を破壊する恐れがある。そこでガスシール部を接着することなく,セルとセパレータの接触面が,ある程度スリップ可能な状態に保ちつつ機械的に圧力を加え締め付けることにより密着させ,接触面におけるガスシール特性の評価を行った。
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