Project/Area Number |
04205004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
魚崎 浩平 北海道大学, 理学部, 教授 (20133697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 敏啓 北海道大学, 理学部, 助手
嶋津 克明 北海道大学, 理学部, 助教授 (30109417)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 機能性単分子層 / 修飾電極 / 酸化還元機能 / 偏光変調赤外分光法 / ヒドロキノン / フェロセン |
Research Abstract |
1.フェロセニルアルカンチオール単分子層の構造とその生成過程の偏光変調(PM)-FTIR法による追跡 フェロセニルウンデカンチオール(FcC_<11>SH)のヘキサン溶液に金基板を浸漬し、ヘキサンで洗浄の後、測定したPM-FTIRスペクトル(入射角76度、分解能2cm^<-1>、1024回積算)において、3100、2923、2851cm^<-1>の吸収バンドが観察された。これらはそれぞれフェロセン環のCH伸縮モード、メチレン鎖の非対称および対称伸縮モードを示している。メチレン鎖の非対称伸縮モードの吸収強度は、9.5×10^<-4>(abs.u.)となった。また、この電極について1M過塩素酸中でサイクリックボルタモグラム(CV)を測定したところ、可逆で対称なフェロセンの酸化還元に対応するピークが得られた。ピークの積分値より電気量は45.4μC/cm^2となった。電気量およびメチレン鎖の吸収強度はFcC_<11>SH分子が金表面にモノレイヤー吸着していることを示している。メチレン鎖の非対称および対称伸縮モードのピーク波数は溶液状態の値に比べてモノレイヤーではそれぞれピーク位置が低波数側にシフトした。また浸漬時間が長くなるにつれてピーク位置はさらに低波数側にシフトし、しだいに固体状態に近づいていくことがわかった。またこの時、浸漬時間が長くなるにつれてメチレン鎖の非対称伸縮モードの半値幅が狭くなり面積強度も減少した。これはモノレイヤーを構成する分子種の配向状態がしだいに一種類になりしかも表面に対して垂直になってきていることを示している。以上、すでに報告したように吸着量は短時間で飽和に達するが、その後もモノレイヤーの構造は変化し続けることがわかった。 2.(アルキル)メルカプトヒドロキノン修飾金電極の電気化学挙動 メルカプトヒドロキノンのエタノール溶液に浸漬して修飾した金電極について過塩素酸中でCVを測定したところ+300mV付近に対称性のよい可逆な酸化還元ピークが得られた。ピーク電流は走査速度と一次の関係を示し、固定したキノン種のみが酸化環元に寄与していることが確認された。ピーク電流の積分値よりピーク電気量は83μC/cm^2となり単位面積あたりの吸着分子数は2.57×10^<14>個/cm^2となった。環にアルキル鎖を導入したところ、アルキル鎖長の増加と共に吸着量は減少した。表面に固定されたメルカプトヒドロキノンと溶液内のヒドロキノンの酸化還元電位(E^0′)のpH依存性を調べたところ両者ともほぼ傾き60mVの直線が得られたが、溶液中のヒドロキノンのE^0′に比べて金表面固定のヒドロキノンのE^0′はより負の値を示した。溶液中のヒドロキノンの測定では高PH側でE^0′はpHに独立となるのに対して、メルカプトヒドロキノン修飾金電極では高pH側でも直線関係が保持され表面固定により安定化されたことがわかった。
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