レーザラマン分光によりその場観察を用いた結晶成長の原子レベル制御
Project/Area Number |
04205018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河東田 隆 東京大学, 工学部, 助教授 (90013739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 眞人 東京大学, 工学部, 助手 (00150285)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | レーザラマン分光 / その場観察 / 結晶成長 |
Research Abstract |
本研究ではレーザラマン分光法を用いた気相エピタキシーのその場観察技術の開発を行ってきたが、本年度は750℃程度の高温において成長している半導体層中に存在する応力の定量的評価技術を、ほぼ確立した。 気相エピタキシーとしては、Ga-PCl_3-H_2系により、Si基板上にGaPを成長させる方式をとりあげた。高温における石英反応管からの発光が雑音となるため、偏光特性を利用し、応力はGaPのTOフォノンの波数シフトに基づいて評価した。プローブ光としては雑音の影響を小さくするため、波長の比較的短いアルゴンイオンレーザの488nmの光を用いた。 750℃において成長したままの状態では、GaP中に約4×10dyn^9/cm^2の圧縮応力が存在することがわかった。この応力は主にGaPと基板のSiの間の約6%の格子定数差によるものと考えられる。成長を停止し、石英反応管内に試料を保ったまま、冷却しながらラマンスペクトルを測定し、応力の変化を評価した。その結果、冷却とともにGaP中の応力は減少し、約400℃でほぼ0になり、その後更に冷却を続けたところ、伸張性の応力が増加し、室温では約1×10^<10>dyn/cm^2になった。この応力の値は、GaPとSiの熱膨張係数の差によると考えられる。しかし、750℃と室温の間では、応力は複雑な変化を示し、いわゆるバイメタルモデルでは説明は不可能である。転位の発生などにより、応力の緩和が起こっていると考えられる。 このような半導体中の応力を、気相エピタキシーの過程で評価した報告は従来なく、本研究の成果である。今後、エピタキシャル層の厚さや成長温度、冷却速度などを細かく変化させることにより、半立体層中の応力の発生あるいは緩和機構が微視的に解明され、制御が可能になるものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)