生体分子組織性ポリマーによる細胞機能制御とその医用デバイス化
Project/Area Number |
04205030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石原 一彦 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (90193341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋沢 忠男 昭和大学, 医学部, 助教授 (40102339)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 血液適合性 / リン脂質ポリマー / 医用材料 / タンパク質の吸着 / 人工臓器 / 組織化構造 / 細胞粘着 / 血小板 |
Research Abstract |
リン脂質高分子を医用高分子材料としての性質を満足させる観点から分子設計し、重合性、安定性、加工性、安全性あるいは汎用性と血液適合性を併せ持つポリマーを合成した。すなわち、リン脂質極性基を有するメタクリル酸エステル、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)を一成分とする共重合体の合成と機能評価を行った。ポリマーが血液と接触した際、Poly(BMA)では表面でフィブリンが析出しフィブリンネットが全体を覆い、これに多数の赤血球が捕捉されていた。一方、Poly(MPC-co-BMA)ではフィブリンの析出は完全に抑制されていることが明らかとなった。ポリマーに血漿を接触させた場合のリン脂質の吸着量を調べるとMPC組成の増加に伴いリン脂質吸着量の増加が認められる。これに対して血漿タンパク質の吸着量はMPC組成の増加に伴い減少する傾向となった。この結果はMPC共重合体とタンパク質との相互作用が極めて弱いことを強く表わしている。MPC共重合体の表面に存在するホスホリルコリン残基は血液中に存在するリン脂質分子に対して強い親和性を持つ。一方、MPC共重合体表面の血漿タンパク質に対する相互作用力は弱いために、血液中からはリン脂質が優先してMPC共重合体表面に吸着し、吸着層を形成する。リン脂質分子はMPC部位の助けを借りることにより組織化吸着層を形成すると考えられる。表面が血管内皮表面に類似した構造となるために血液細胞の粘着、活性化あるいは凝集を防ぐと考えられる。MPC共重合体の血液適合性発現には血液中に存在するリン脂質の吸着が重要であると結論できた。MPC共重合体の医用デバイスへの応用については血液浄化材(人工腎臓、血漿分離器、補助人工肝臓)、センサー被覆膜(人工膵臓)、タンパク質吸着防止材(コンタクトレンズ、人工肺)、薬物放出制御膜などを検討した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)