植物生葉のCO_2ストレス情報変換機構解析と大気環境ストレス評価システムへの応用
Project/Area Number |
04205034
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松岡 英明 東京農工大学, 工学部, 教授 (10143653)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | CO_2ストレス / オオムラサキツユクサ / 植物生葉 / 細胞内電位 / 大気環境評価 / 連続自動解析システム / エタノール / 振動電位波形 |
Research Abstract |
植物生葉のCO_2ストレス応答機構を明らかにするために、比較的細胞の大きいオオムラサキツユクサ(Tradescantia virginiana L.)を用い、主要イオン(H^+、K^+、Cl^-)の挙動を調べた、すなわち、二連型微小電極(電位測定用電極とイオン濃度測定用電極の一体型)を用いて生葉の裏側の表皮細胞内の電位とイオン濃度を同時測定した。その結果、CO_2ストレス応答は、単にCO_2溶解に伴うpH変化ではなく、K^+やCl^-などのイオンの動きを介して起こる複雑な現象であることが示された。 生葉は複雑な多細胞系であるから、1個の細胞の応答で生葉全体の応答を代表させることは難しい。そこで同一生葉の様々の場所でCO_2ストレス応答を測定し、その応答パターンを比較した。その結果、測定場所によっていくつかの異なる応答パターンが得られることがわかった。しかし応答パターンと測定場所の間に特に相関は認められなかった。これは個々の細胞間での相互作用の仕方が場所によってことなっていることを示唆する。この点を検討した結果、細胞内電位(多くの場合、液胞内電位)の変化はストレス信号として隣接細胞にすみやかに伝達するが、伝達範囲は生葉内のある限られた領域内であることが示された。 これらの知見に基き、CO_2ストレス応答を指標とした大気環境ストレス評価システムを構築すべく、電位応答の連続自動解析システムを作成した。このシステムを用いて長時間連続測定が可能となり、CO_2ストレス、ベンジルアセテート、エタノールなどについて、個々に、あるいは共存状態で応答を連続記録及び解析した。その結果、例えばエタノール共存下ではCO_2ストレスが可逆的に増幅されることがわかった。振動電位波形の解析も可能になるなど、大気環境ストレス評価システムとしての可能性が示された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(14 results)