Project/Area Number |
04205038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥居 徳昌 東京工業大学, 工学部, 教授 (20111651)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 人工筋肉 / 高分子ゲル / 電解質 / 溶媒交換 / pH変化 / 接着力 |
Research Abstract |
カチオン性ゲルとアニオン性ゲルを水溶液中において接触させると、両ゲルは互いに強く貼り付き、この接着力は溶液のpH、塩濃度に大きく影響されることを見いだした。例えば、アクリルアミド/アクリル酸共重合体ゲルとアクリルアミド/塩酸アリルアミン共重合体ゲルは、NaCl濃度が0.3M以上では、貼付きは起こらないが、0.01M〜0.1Mの濃度域では貼付き、剥離は可逆的に起こる。pH2以下の溶液中やpH11以上の溶液中では、貼付きは起こらず、pH3〜5、10では可逆的な貼付きが起こり、pH6〜7では剥離には大きな力を要した。0.1Mの場合、いずれのpHにおいても顕著な貼り付きは見られなかった。また、1mMの場合、NaClを添加しない場合に比べて、pH2〜5、pH10〜12では添加しない場合と同様な変化を示したが、pH5〜7では剥離力の低下が見られた。この異種電荷を持つゲル表面間での貼付く原因として、表面張力、イオン性結合、静電的相互作用などのいくつかの機構が考えられる。例えば、固体間の接着に於て表面張力は大きな因子であるが、金属やガラス、ポリマー等にほとんど付着しなかった。又、水素結合の阻害剤である尿素水液中においても異種電荷のゲルは互いに強く貼付いたままであった。両電解質ポリマーを水溶液中で混合するとイオンコンプレックスを形成する可能性があるが、IRスペクトルにはイオン結合に由来するピークは観測されない。重解質ゲル内外ではDonnan平衡によりイオンの分配が起こり、ゲル間に静電ポテンシャルが形成され、このポテンシャルによりゲル間に引き合う力が生ずると考えられる。ここで、このゲル系を単純化し、一次元平行平板コンデンサー系に置き換えて算定してゲル間に働く力と実験ゲータは良く一致した。従って、カオチン性、アニオン性ゲル間に働く貼り付く力は、ゲルの持つ固定電解質による静電気的相互作用が支配的であると考えられる。
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