ポリマー中に拡散したフォトクロミック化合物の分子間相互作用と光構造変化
Project/Area Number |
04205052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
栗田 進 横浜国立大学, 工学部, 教授 (30089833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 淳 横浜国立大学, 工学部, 助手 (60202165)
横山 泰 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (60134897)
栗田 雄喜生 横浜国立大学, 工学部, 教授 (80114974)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | フォトクロミック化合物 / 光記録材料 / フルギド / 分子間相互作用 / 記録密度 / 物質制御 |
Research Abstract |
光照射によって構造が可逆的に変化し、それに従って色も可逆的に変化するフォトクロミック化合物は書換え可能な光記録材料として注目されている。記録密度の限界、及びこの分子を保持するポリマーマトリックスのフォトクロミック反応に対する影響を調べた。化合物として熱的に安定なフルギドを用い、これをポリマーの中に拡散した。その結果、(1)閉環体(C体)における分子間相互作用は電気双極子によるもので、分子間のエネルギー移動は平均分子間距離が30〜40Aから顕著になる。(2)この相互作用は開環体(E体)の存在に彰響されないし、また、E体からC体へのエネルギー移動も認められなかった。これらの結果は有機フォトクロミック化合物を用いた場合の記録密度の限界を与えるものである。(3)分子・ポリマーマトリックス相互作用はポリマーによる閉込め効果(cage効果)として見られた。すなはち、77KではE→C変換において低エネルギー励起によって生成されたC体の吸収スペクトルのピークを低エネルギーに現れること、言替えれば、励起光によってポリマー中の分子は選択的に励起されることが分かった。この大きなcage効果にヒントを得て、光による物質制御が可能であることに思い付いた。(4)単結晶は分子が密に積層しているから、大きな構造変化をする分子では変換は表面層だけとなる。光による表面物質制御である。実際、フルギド単結晶に紫外光を照射したところ表面が赤色になり、できた膜は偏光スペクトルの測定により良く配向していることも分かった。この膜は可視光照射によって完全に元の状態に戻ることも確かめた。これらの結果は光による物質制御であり、物性研究の新分野の端緒を見出したものと言えるだろう。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)