Project/Area Number |
04205055
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
塩見 友雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10134967)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手塚 育志 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80155457)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 多相高分子 / 表面構造 / 環境応答性 / 界面機能材料 |
Research Abstract |
多相高分子の表面および界面の構造や形態が、接触媒体と相互作用したとき、どの様な反応挙動を示すかを明らかにすることは、新素材の分子設計にとって極めて重要である。本研究では、化学構造のみならず物理特性をも考慮した種々の多相高分子をモデル高分子として合成し、そのモデル表面と環境応答挙動との関係を体系的に明らかにした。 モデル表面を形成する構造明確な多相高分子として、疎水性であるポリウレタンおよび親水性であるポリビニルアルコールを幹成分とし、ポリシロキサン、ポリエーテル、ポリアミン、ポリスチレンをグラフト鎖として導入したグラフト型共重合体を合成した。これらは、化学構造のみならず、集合体物性として、ガラス-ゴム状態、結晶-非晶状態が考慮されている。これらを用いて、空気中および水中における表面構造の変化および応答速度をXPSおよび接触角法を用いて評価した。その結果、多相高分子表面では、キャスト製膜過程で特定セグメント成分の表面濃縮が容易に起こり、それは表面エネルギーを最も小さくする方向であり、また、その表面層の厚さは、枝成分含量を調整することにより制御し得た。多相高分子を水中に浸漬すると、比較的短いタイムスケールで表面濃縮成分が可逆的に変化することが認められた。その応答速度は、枝鎖の長短によって変わり、また、ガラス状態および結晶状態では、環境応答をしない場合が認められた。以上の結果、多相高分子表面は一般に接触する媒体の変化によって短い時間で著しい構造・形態の変化を生じ、枝鎖の長さ密度を含む一次化学構造および分子集合状態の適切な選択によって表面構造を制御し得ることが示された。この成果は、多相高分子のフレキシビリティを生かした新界面機能素材の分子設計の基礎となるものと期待される。
|