酸化還元分子集合系による新しい光情報変換・記録薄膜の構造
Project/Area Number |
04205059
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
長村 利彦 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (90117200)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 浩司 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (30211931)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | 超高速色変化 / イオン対電荷移動錯体 / 電荷共鳴スペクトル / 光誘起エレクトロクロミズム |
Research Abstract |
配列や位置を規制して機能性分子を集合・組織化し単独では不可能な光情報変換・記録機能発現を目指し、本年度は次のような実績をあげた。1)フォトエレクトロクロミック高分子フィルムによる超高速色変化補助金で購入したマイクロコンピューターシステムなどを用いてピコ秒レーザーフォトリシス計測法の改善を行ない、4,4'-ビピリジニウムイオンを主鎖の一部に含む高分子のテトラキス[3,5-(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(TFPB^-)塩の有機溶液及びキャストフィルムをYAGレーザーの3倍波(355nm、20ps)で光励起し過渡吸収のダイナミクスを詳細に検討した。その結果、4,4'-ビピリジニウムラジカルカチオンの過渡吸収の立ち上がり(20ps)はレーザーパルスと一致することがわかった。電荷移動錯体の励起による電子移動のため色変化が極めて速いことが確認され、超高速光記録媒体としての可能性が示された。さらに分子配列状態の計算を行ない、光応答性との関係を考察した。2)イオン対電荷移動錯体薄膜による光記録の安定化と高感度読みだし光誘起電子移動反応に基づく青色種は、熱反応あるいは酸素への電子移動により減衰するのでその安定化が必要である。本研究では、ガラス転移温度の高いポリメチルメタクリレート(PMMA)と高分子4,4'-ビピリジニウム塩との混合あるいはPMMA中へN,N'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム塩の分散により、20℃での寿命が4-270倍のびた。また、酸素透過率の低いポリビニルアルコールを保護膜として用いることにより、酸素への電子移動が抑制され、空気中でも色変化が可能になった。さらに、マイクロコンピュータによるモニター光の変動補正などにより光導波路検出法をさらに高感度化し、10nm以下の高分子膜あるいは単分子累積膜一層での色変化が高精度に検出できた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)