ニューラルコンピュータ構築のための興奮性分子素子の研究
Project/Area Number |
04205061
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉川 謙一 名古屋大学, 大学院人間情報学研究科, 教授 (80110823)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 聡 奈良教育大学, 教育学部, 助手 (50217741)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | 非線形振動子 / 引き込み同調 / モード・ロッキング / エネルギー変換 / 化学モーター / 自己組識化 / 味応答 / 化学センサー |
Research Abstract |
本研究では、次のような課題に取り組んだ。(1)非線形特性を有する人工膜の開発、(2)受容膜による外部情報の変換、(3)非線形素子によるネットワークの重的特性を利用した情報処理。以下、成果の主要な部分について紹介したい。 (A)結合振動子の動的パターンー時空間の自己組識化 BZ反応の反応槽(Continuous-flow Stirred Tank Reactor)を複数個並べ、その間に細孔をつくり、反応液が行き来できるようにする。すると各々の反応のリズムが自発的に同期し、様々なモードが現れる(mode locking)。私達は同相・逆相の関係をスピン系の常磁性(↑↑)、反磁性(↑↓)と対比させることにより、非線形振動子のネットワークの動的パターンのモードを予測できることを明らかにした。ニューロン(神経細胞)は、非線形振動子である。ホップフィールドのニューラルネットワークのモデルでは、ニューロンの間の結合は対称であった。現実の神経細胞では、ニューロンの間の結合は当然のことながら非対称である。本研究では振動子の間の結合に非対称性を導入することにより、非常に多くのモードが現れることを明らかにした。これはニューラルネット上でダイナミックメモリーの容量を飛躍的に増大することが可能であることを意味している。 (B)化学エネルギーの機械エネルギーへの直接変換 筋肉では、ATPの化学エネルギーがマクロな機械的運動に直接変換されている。そのメカニズムを知るためにも、人工的に化学→機械エネルギー変換系を実現することは重要な課題である。そこで化学エネルギーの散逸に伴い、ベクトル的な運動や周期的な力が発生する実験系を考案した。具体的には、回転運動の場に非対称性を導入することにより、一方向に制御された回転運動を行わせることが可能であることを見い出した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)