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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
以前より,われわれの研究室では,周期性高分子が小分子と相互作用した系を,スーパーセル法を用いて計算する方法を提唱し,いくつかのモデル系に適用してきた。また,近年は,高分子のラジカル重合反応と同じ道筋を理論的にmimicした,いわゆる理論的重合法を提唱してきた。本研究は,いずれもわれわれの研究室で発展させてきた上記二つの方法を結合させることによって,結晶成長過程を理論的にmimicするとともに,その結晶成長の望ましい形での制御を、理論的に試みようとするものである。 すなわち,まず結晶表面の結晶軌道をスーパーセルを単位とする結晶軌道に変換する。このスーパーセルの大きさは,いま考えている結晶成長の制御の及ぼす範囲を包含するように決定する。つぎに,そのスーパーセル上に,小分子を付着させ,その電子状態を求める。このとき,その電子状態は,理論的重合法(Elongation法)によって求めるのである。このElongation法を用いることによって,次々と分子が何層にも重なりながら結晶表面に付着させたときの電子状態を次々と求めていくのである。 この方法をテストのためのモデル系として,水素分子が一列に並んだ仮想的な高分子系を考え,その一次元表面に,次々と水素分子が積み重なって付着する系について拡張ヒュッケル法のレベルでテスト計算をおこなった。このテスト系は比較的小さいので,通常の周期性境界条件による計算も可能であったので,この通常の方法による計算結果と、本研究課題による方法で求めた結果を比較したところ,両者は完全に一致し,しかも本研究課題による方法は計算時間の面で,圧倒的に有利であることがわかった。
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